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 緊箍児と呼ばれるものがあります。きんこじ、と読みます。中国四大奇書で知られる西遊記の主人公、孫悟空が頭に嵌めているリングのことです。物語中、三蔵法師の弟子となる孫悟空ですが暴れ者の本質は治らず、まるで言うことを聞かなかった為、観世音菩薩がこれを身に着けさせろと与えてくれました。そして孫悟空が悪さをしでかした際、三蔵法師が呪文を唱えることで強烈な締め付けが起こり大人しくさせるというシステムです。伸縮自在の如意棒や、実は天竺までもひとっ飛びで行ける筋斗雲と比べて地味な感じは否めないところがありますが、孫悟空というキャラクターを構築する上で欠かせない存在です。この手のアイテムは現代に至るまで様々なバリエーションで登場します。破天荒な性格の方が活き活きと描けるものの、話を制御する上で無秩序でありすぎると困る為に生まれた緩衝材なのでしょう。逆に、ストーリー風ギャグ作品ならまとめる必要は無いなと居直ってるものも多々あるような気がしてきましたが、それはそれで一つのジャンルなのでいいとしておきましょう。

(・ω・) そこら辺の兼ね合いは、永遠の課題とも言える

【貧しい国庫から苦労して手に入れたとか妄想すると泣けるな】
月:これは初期型の大砲か。
朱:黄龍さんが鉄球を投げた方が強いのに、どうして持ってるんですかね~。
月:そういう問題だろうか。
黄:面白そうな発明だったから、ドサクサに紛れて一つちょろまかしたんだよぉ。
月:思ったより酷い経歴だった。
朱:そのせいで国が滅んだ可能性を想像すると、考えさせられますね~。


【思想書ではなく兵法書であった可能性を鑑みてみる】
黄:折角掘り起こしたんだから、記念にぶっ放してみるんだよぉ。
月:こいつ、自由だな。
黄:月読にだけは言われたくないんだよぉ。
朱:五十歩百歩は、孟子の故事でしたっけ~。
月:その後に『一万歩逃げるのであらば戦術的に活用する価値がある』、
 と続くことはあまり知られていない。
黄:そういう嘘八百を平然と吐ける辺りが、フリーダムの証左なんだよぉ。


【全ての行動が胡散臭くなるのも才能みたいなものだし】
月:こうして見ると、外国の書物もかなりの種類があるな。
朱:黄龍さんって何ヶ国語もいけるんですか~?
黄:神通力的なもので、意訳を導き出すだけなんだよぉ。
月:ズルいなぁ、一種の超越者。
朱:月読さんも能力的にそんな離れてないはずなのに、
 威厳が足りないせいで凄さを感じないのが現実ですからね~。


【深いこと言ってるようで拍車を掛けていないだろうか】
朱:その力を活かして、文化保存に注力するというのはどうでしょうか~。
黄:平たく言うと、面倒でやる気が湧かないんだよぉ。
月:時間が余ってるから掃除を始めた奴が、そんなエネルギーを使う訳が無いわな。
黄:正直、この大仕事を終えたら三ヶ月位家事の手を抜いてもいいと考えてるんだよぉ。
朱:完全に、ダメになってる方の思考回路ですね~。
月:生き甲斐は人を若く保つと言うが、
 何もしなくても若いままの我々は目標を持つのも億劫になるのやも知れぬなぁ。

 齢一万年は確実に超える黄龍にとって文字の発明とはどういうものなのでしょうか。古いことはよく憶えてない彼女にとっては、割とどうでもいい出来事なのかも知れませんけど。
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