2010
何でも、消費者金融最大手の武富士が会社更生法を申請したそうです。まあ、消費者金融は、ねぇ。グレーゾーン金利を規制しようとした時、『これを認めたら闇金がのさばる』とか言い出した人達ですし。まあ、年収の三分の一規制やら、過払い金返還が効いたらしいです。これから先、金貸し業界はどうなるんですかねぇ。
( ・ω・) 消費者金融阿修羅化が始まるとは、まだこの時は誰も思っていないのであった
「何の為に」
「何しろ、全てでは無いにしても国を支える礎の一つだもの。生臭い話の一つや二つ、あっても不思議じゃないわ」
やだなぁ。そういうドロドロした政争って。関わるのも面倒だし、行きずりの人間を巻き込むのはやめて欲しいよ。
「でも、その仮説が正しいとすると、僕達が生きて帰れば、その人達を悔しがらせることが出来ますよね」
「何だか、楽しそうに見えるんだけど」
「基本的に、人が嫌がることを積極的にやろうとは思いませんけど、反社会的な存在と、明確に危害を与えてくる連中に対しては適用外です」
「それについては、同意見ね」
よし、クリスさんの同意も得られたっぽいし、ここは脱出に全力を注ぐことにしよう。
「アレクって……やっぱり変」
何だか、ジュリから毒が漏れた気がするけど、それはそれとして。
「呪文は、無理だろうな」
迷宮からの脱出魔法で知られるリレミトだけど、魔力的な媒介があるだけで、物理的な移動に過ぎないから、入り口からの道が繋がってる時にしか使えない。となるとやっぱり、この無数の穴から正解を探し出すか、土砂を掘り崩して――どっちも恐ろしく面倒臭いなぁ。そんなこと言ってる場合じゃないって説もあるけど。
「ん?」
何だか、空気の質が変わった様な気がした。
シスには遠く及ばないけど、僕も一応、一年以上も旅をしてる身だ。不穏な気の流れに関しては、一般の町民とかよりは鋭いはずだ。
「何か、居るわね」
それは、同じく旅慣れたクリスさんにとっても、同じだったみたいで。
「シスなら、あれが何か分かるよね」