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 名護市市長選で辺野古移転反対派の稲嶺氏が当選しました。これで鳩山政権は辺野古以外の移設先を、連立的にも支持率的にも、『絶対に』模索しないといけなくなった訳です。
 あれ、でもこれってむしろ窮地なんじゃないか? アメリカの方は、辺野古案自体からは一歩もひいてないわけですし、代替案は、グアムとか硫黄島とか下地島とか、現実性が無いものばかりですし。アメリカが、沖縄の一市長選で判断を変える訳ないですし。

( ・ω・) 下は国民、上は大国、これなーんだ

「何してんだ?」
「いや、何か変な感じだから――」
 言いながらひっくり返してみると、ギギギと妙な音がした。
 成程、薄い板で二重底にしてた訳ね。今の音は、それがズレて出たみたい。何か引っ掛けられるものは――作業用のナイフで良いかな。隙間に差し込んで、引き抜く形で外しに掛かった。
「本?」
 板に挟まっていたのは、紙を綴って作られた、手製の本だった。何か日記っていった感じだけど、読んでもいいのかな。
「ほほぉ、こいつは面白そうなもんが隠されてやがったな」
「早く読んで、早く読んで。むしろ私が読もうか」
 この人達の辞書に、モラルとか、常識という言葉は無いんだろうか。ま、そのお陰で僕の罪悪感は減りそうだし、この際、乗っからせて貰おうかな。
『親愛なる我が子、シルビー、リオールへ』
「……」
「……」
「……」
 け、ケホッ。動揺しすぎて、ツバが気管の方に入ったよ。
「はぁ!? あの爺ぃ! いい年して、いつの間にガキなんかこさえてやがったんだ!?」
「お、お、落ち着こここ――」
 ダメだ,僕が平静さを失いすぎてて、言葉がうまく出てこない。
「とりあえず、ね。これを書いたのがメロニーヤ様だって確定した訳じゃないし、決めつけるのはまずいと思うんだよ」
「ここに、署名がある」
 シルビーさんが指差した先には、良く似た筆跡で『メロニーヤ』と……ああ、もう何が何だか分かんなくなってきたよ。
「だけど、まあ、あれじゃない。ほら、小さな頃に面倒を見たら、血が繋がってなくても、子供みたいなもんなんじゃないのかな」
 子供も居ないし、十五、六年しか生きてない僕がそんなこと言うのもどうなのかなって思うけどさ。

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