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 長いこと、色んな物語を書いてきた気がしますが、いわゆる『お嬢様』というのは書いたことが無い様な気がします。いえ、出自が良いというだけでなく、清楚で可憐で大人しい、ステレオタイプのお嬢様です。家柄が良いだけだったら、月読なんか範疇ですが、あれをお嬢様と認めたら、本当、世界お嬢様委員会に査問を受けてしまうと思います。

( ・ω・) まあ、私が書いたら、どうせアクアみたいに軽くイッたお嬢様になるんですけどね

「アレク様。準備が整ったそうなので、客間までお越し下さいとのことです」
「あ、はい」
 召使いの男性と思しき人にそう声を掛けられて、腰を上げた。
 どうでも良いけど、立場上しょうがないといっても、様付けはやめて欲しいもんだよね。こう、背筋がむず痒くなるっていうか。
 何処までも勇者適正が無い自分に、世の切なさを感じ入ったりしてみたりもするよ。

「アレクさん。私は今が生涯に何度か訪れる、勝負の時だと実感しております」
「はぁ」
 話の全容が掴めない以上、適当な相槌を打つしかないよね。
「その内の一つが、妻との結婚でした」
「あら~」
 そして、中年男性の冗談は、今一つ理解に苦しむ部分がある。僕もおじさんと呼ばれる年齢になったら、分かるんだろうか。
「全財産を賭け、スピル一派との対決をすると決意しました」
 僕から手紙を受け取ったのが、今朝の朝一番。今はまだ昼前だっていうのに、決断が早過ぎる。僕だったら、三日と言わず、二月くらいは悶々と悩む事案だというのに、この人は何なんだろうか。これが商人として成功する為に必要な才覚だと言うなら、僕には無理だと思うんだよ。
「と言いますか、クワットさんの全財産って、具体的に何ゴールドくらいになるんですか?」
 実際に、硬貨で動かせるお金はそこまでじゃないと思うけど、この家やお店、商品、備品の価値に加えて、信用で借りられるものまで加えるとしたら、それこそ国を買い上げられそうで怖いものがある。
「正確な額は日々変動しておりますので、やや曖昧ですが、大体で良ければ、そちらの資料に」

 

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 総務省が発表した住民基本台帳に依ると、衆議院議員選挙に於ける一票の格差が2.4倍程に広がったそうです。まあ、かつて5倍程あったことを考えると、許容範囲と取るべきかどうか、微妙なところです。一応、目標は2倍程度らしいんですけど。

( ・ω・) ぶっちゃけ、民主敗北の一因は、地方重視の選挙区制度にもある訳で

「んで、何で無いものをあるってことにしてる訳?」
 そう問われて、僕は又、アクアさんを見遣った。
「えー、まあ、あのね。いわゆる奇跡と称して、教会の権威を高める為っていうのが定説、かな?」
 言葉を選んだようで、微妙な表現になってしまった感は否めない気がする。
「役者を雇ったり、仮死状態の人をあたかも完全に死んでる様に見せ掛けて目覚めさせたりしてさ。あたかも蘇生呪文がある様に思わせてるって訳」
 もう、ここらへんまで来ると、遠慮とか面倒くさくなってきたよ。
「人は死んだら生き返らない。これは基本だよ。だからシスも、あんま無茶しないでね」
「へいへい」
 真面目な話に、このおざなりな反応。これでこそシスって思う辺り、毒されてる気がする。
「人が人を生き返らせるなんて、やっぱり踏み込んじゃいけない領域なんだと思うよ。そりゃ、レイアムランドの巫女さんが言ってた、神様くらいの力を持ってるなら、話も変わってくるんだろうけどさ」
 多分、アクアさん達が崇めてる『神』と、巫女さん達が言ってた『神』は同じ様で別物だと思うんだよね。何て言うか、宗教家の神様は、自分達の都合の良い様に解釈してるって言うか。いや、学者にもその方向性が無いかって言われたら否定は出来ないんだけどさ。
「たしかに、その様な一面があるのは事実ですわ」
 おっと、アクアさん、その部分については認めるんだ。
「ですが主は全てを見通され、等しく愛を注がれておりますの」
 まあ、敢えてここでアクアさんと喧々諤々の宗教論争をする気は無いんだけどさ。

 

 パチンコ好きが一度は言うと言われている、『トータルでは勝っている』という言葉。まあ、大半は虚勢なんでしょうけど、一部に本気で言っている人も居るとか居ないとか。実際、どうなんでしょうね。多分、統計学的というか、確率で考えると、こう、綺麗なピラミッド構造で、本当に勝ってる人は数%か、1%居ないかくらいになると思うのですが。だって、設備維持費や、給料が出てる時点で、トータルでは勝てないように設定されてるに決まってるじゃないですか。

( ・ω・) 競馬の控除率は25%。公表してる分、まだマシかも知れない

「アクアさんが使うベホイミは、僕のものとは根本的に違ってて、魔力そのものを治癒力に転化したり、場合に依っては、空間に溜まっている魔力の素みたいなものまで利用して回復させてるんだ。だから練度次第では、どう考えても助かりそうもない怪我人でも治せることがある」
 幸いにして、僕の周囲で、その処置が必要になった人は居ないけどね。
「んじゃ、ザオラルやザオリクって、その発展形ってこと?」
「んー」
 その質問に、僕は意識せずアクアさんを一瞥してしまう。
「アクアさんが居るのにこんなこと言うのはあれなんだけどさ。僕みたいに魔法使いの勉強した人の常識としては、そんな呪文は存在しないってことになってるんだ」
「はい?」
 うん、シスって、頭そのものは良いし、事の本質を見極めるのは得意だけど、この手の情報には疎い分、良い反応してくれるよね。
「いやいやいや。ザオラル、ザオリクって言ったら、僧侶とか神父の代名詞だってのは、子供でも知ってることじゃん」
「じゃあ、シス。義賊のお爺さんが死んだ時、生き返らせて貰おうとか思わなかったの?」
 身内が旅立った時、大抵の人は一度は通る道だと思う。
「ん? いやー、それは考えたこと無かったけど、寿命死は流石に無理なんじゃないの」
「仮に町の神父さんに持ち込んだとしても、多分、天寿だから無理って言われただろうね。
 他にも、『損耗が余りに酷過ぎる』だとか、『信心が足りない』とか、ありとあらゆることを言って断ってくるから」
「言われてみれば、割と命懸けの仕事のはずなのに、知り合いに生き返ったみたいな話してる人、居ないかも」
 そこまで行ってるなら、少しは怪しもうよ。

 えー、まあ、何と言いますか、我が愛する横浜ベイスターズの最近の凄惨っぷりが逆に凄いことになっていますが、最近はあれですね。試合がない方が遥かに心の平穏を保てますね。全試合雨で順延すれば悟りを開けるんじゃないかってくらい。どれだけ心が支配されてるんだよという問いは、聞くだけ野暮なのでさておくとして。

( ・ω・) みんな! 何処かのチームを応援するというのは中毒みたいなものだぞ!

『ホイミ』
 言葉と共に、蓄えた魔力をシスの傷口に流し込んだ。元が魔法使い志望なだけに、どうもこの回復呪文って奴は苦手だけど、アクアさんが大怪我した場合なんかを考えたら、そう好き嫌いも言ってられない。
「しっかし、下手な回復呪文だよねー。傷口塞がるの、普通の三倍くらい掛かってるよ」
 魔法の才能が全く無いシスに言われたくないやい。
「回復呪文の秘訣は、大いなる愛ですの。アレクさんも、自らの内にある愛を自覚すれば、きっとうまくなりますわよ」
 アクアさんの底が知れないところは、これが本気なのか冗談なのか、判別が付かない点だ。一年以上一緒に旅をしてるけど、この人を理解しようとすればするほど、深さを思い知らされて、体感的には遠ざかってる気さえする。
「アクア学って、一生を費やすに値する学問として確立されてもおかしくないと思うんだよ」
「ですの?」
「何の話さ」
 言ってみただけで、僕にもちょっと、良く分からない。
「そういや、今まで気にしたこと無かったけど、回復呪文って、どういう理屈で治る訳?」
 何度と無くお世話になってきて、今更気になるシスも、大概、大物だと思う。
「ホイミや簡略的なベホイミは、人間が本来持ってる治癒力を増幅させることで回復させるだけなんだ。だから、余りに酷い怪我だと後遺症や傷跡が残ることもあるね」
 骨が粉々になるまで砕けてしまった場合なんか、どんな医学的な施術をしたとしても、元の機能を取り戻すのは難しい。それは、人間の持つ治癒力を超えているからで、それを促進するだけの初歩の回復呪文で補い切るのは難しい。

 

 千葉法相(民間人)が二名の死刑を執行したことが話題となっています。まー、何度か言ったと思いますが、私に言わせれば、死刑廃止論者が法相となって死刑を順延させていたことがまず問題だと思います。死刑というのは国法で規定されているものです。司法機関である裁判所が死刑相応であるという結論を下し、国権の実働部隊である行政に回してきた以上、それを大臣権限で差し止めるのは相応の説明責任が要求されます。もちろん、千葉法相は鳩山政権発足時からの大臣ですから、鳩山前総理、菅総理にもそれは及びます。というか、民・社・国、という三政党が黙認していた訳ですから、そっちにもいきますか。似た様な問題は自・公時代もありましたけど。
 そして問題は、一年近く、そうしておきながら、今、参議院選で落選し、任期も終わって民間人となった今、何故、敢えてその方針を撤回したかという点です。まさか、自分が参議院選で落選したのは、死刑を差し止めておいたから、などと思った訳でも無いでしょうに。

( ・ω・) 有権者が一番嫌うのは、意味不明な方針転換! 俺ですら知ってるよ!

 当面の目標を達成したことに、ほっ、と胸を撫で下ろす。尤も、クワットさんの助力は必要最低線で、ここからが本番なんだけどさ。
「しかし、アレクさんは、色々なことに巻き込まれますな。私も商売に手を染めて長いですから、お話に値することも幾らでもありますが、この頻度では中々」
「それはまー、何て言いますか勇者の血筋の運命みたいなものでして」
 茶化してみたけど、本当、何なんだろうね。こう、代々の怨念的なものが勇者の血族にはのしかかって、行く先々で何かしらの問題にぶち当たる機構になってるのかと、突拍子も無い仮説が頭をよぎった。父さんは一代の勇者だから、意外とトントン拍子で話が進んでたりしてね。
「それでは、現況を把握、整理する時間を小半刻程頂けますかな。何ぶん、資料を部下に出させてはいますが、量が量なのでね」
「あ、はい」
 ま、傷の手当てもしたいところだし、ちょうど良かったかな。
「それじゃ~、部屋を用意させてもらいますね~。アクアさん、あとで一緒に、お茶を頂きましょうね~」
「喜んで、ですわ」
 何だか、僕には一生、理解できそうもない女の友情があった気がするけど、この二人だけに適用されるものだよね、うん。



「んでさ。結局、どーなんの?」
「どうなるんだろうね?」
 質問に質問で返してはいけないとは良く言うけれど、実際に想像がつかないんだからしょうがない。
「商人同士の戦いって、具体的に何をどうするんだろう」
「うーん、相手の店にチンピラを送り込んで暴れさせるとか」
 小規模店ならいざしらず、両名が大商人同士の今回は、そんな小さなことやってられないと思う。

 



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