2020
純粋という概念があります。使用頻度が低くない単語ではありますが、どういったものか説明しようと考えると、ちょっと詰まります。化学的には、成分が限りなく単一に近いことを指します。水、シリコン、フッ化水素など、高純度なものは工業的に重要ですし、分かりやすい考え方です。しかし人格に対して使う場合は、汚れが無い、純朴であるなど、一気に曖昧さが増します。私の考え方ですと純粋な人間というのは善でも悪でもなく、ちょっとしたキッカケでどちらにも振れる存在です。透明なガラス板には、透明な液体以外の何を塗ってもその色となるのに似ているでしょう。ですが世間的には、悪いことを知らない風に扱われがちです。元来、人は白い紙のようなもので、黒い悪徳に影響を受けて染まるという解釈なのでしょう。性善説的なものがが色濃く反映されていると思われます。見解の相違というやつなので、納得はしませんが否定もしません。この捉え方で、多少は人となりが見えてくる部分がありそうですよね。
(・ω・) そういや純粋を小馬鹿にする感じの雰囲気もあるっけか
【少なくても数十年前の人には意味不明な行動よね】
公:珍妙な夢を見た。
遊:とりあえず話を聞こうか。
公:日の本の民と思しき連中が異国の装束を身にまとい、
光る板切れのようなものを凝視しながら指を叩きつけてたんだ。
莉:世が乱れると、特定の宗派が力を得るって言うけど。
遊:どういった事情かは分からんが、
そいつらも何かにすがってしまいたいのかも知れんなぁ。
【呪殺なんかを切り売りすれば延命は出来そう】
公:いや、それがどうやら板は世界中に繋がる力を持っていて、
無尽蔵とも言える情報を集めることが出来るらしいのだ。
莉:やっぱ宗教的な何かじゃん。
遊:神通力もお手軽になったものだ。
公:修行の類が要らんのだとしたら、烏天狗とかは廃業するしかないな。
遊:環境の変遷で消えていく生業は多いが、
山に籠もってるような奴らも例外では無いというのか。
【どうあれピラミッド構造に落ち着くよう出来ている】
遊:大体そんなもんがあったら民が賢くなりすぎて統制とれなさそうだ。
公:俺が見た範囲では遊興絡みか、
ちょっとした好奇心を満たす程度の使われ方しかしてなかったぞ。
莉:平和な様な、もったいない様な。
遊:蔓延するとありがたみを忘れるのが浮世の常なのだろう。
公:上に立つ為にはそいつを利用して、
民草を操るくらいの度量が必要という話なのやも知れぬ。
【決断一つで国が滅びかねない重圧に耐えられるだけで偉大すぎる】
公:もしも手に入れることが出来たら、どう活用するのが最も有用だろうか。
遊:お前の場合、処理しきれずに惑いまくって流言に乗せられそうなんだが。
公:否定しきれないのが辛い。
莉:今だって、収集したのを精査して総合的な判断が必要だし。
遊:どんな状況だろうと、決めることが上役として最大の資質なんだな。
公:それに伴う心労を、少しでも減らす術を欲してやまない。
スマホが世に登場して十数年といったところでしょうが、それ以前の携帯電話は縦長か二つ折りが主流でした。黒電話が骨董品となっている辺り、近い将来、この光景も平成、或いは令和の遺物と呼ばれるのでしょうね。
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2020
ポルターガイストと呼ばれる現象があります。ドイツ語のPoltergeistを直輸入した言葉です。騒がしいと幽霊のの二つを組み合わせた造語になります。原因が見当たらないのにも関わらず家具が倒れたり、出どころ不明の奇音が鳴り響いたりする超常現象を総称したものです。これらを霊的なものと解釈して名付けられた訳です。言葉から捉えるに適用範囲は広く、現代科学で説明不能でさえあれば何でもありな感じはあります。ですがやかましいが入っているので、音は必須なんですかね。オカルトには詳しくないのですが、無音の怪奇現象をそう呼びたくないというのは分からんでもありません。イメージとしては室内限定で、屋外は含まれない感じがありますけどなんででしょう。まあ、木々のざわめきとか獣の遠吠えとかが普通にあって、端から静かじゃないからかも知れませんけど。起こりうるはずがないという前提があるからこその心霊現象ということなのやも知れません。
(・ω・) 現実問題、夜はもっと危険なのがゴロゴロしてるし
【寓話だったら間違いなく痛い目を見る展開】
月:囲碁や将棋って、昔から当代随一を名人って称したりするじゃんか。
剣士の最上級が剣聖みたいな感じで、学者もなんか欲しい。
黄:たしかに教授ってのは本来、学問を極めし者に与えられたはずだけど、
大学の乱立で粗製乱造されて称号としての価値が下がったんだよぉ。
月:だからこそ私が名乗れるという点は、お約束だからさておくとして。
黄:現状が既に奇跡のオンパレードみたいなもんなんだから、
これ以上を望むと転落人生が待ってそうなんだよぉ。
【必殺技モーションを一度見たらスキップするのに通じるものが】
月:学聖だと音が被って分かりづらいし、学王とかかしら。
黄:絶望的なセンスの無さなんだよぉ。
月:王を付けて喜ぶのは小学生までか。
大人はやっぱり、帝とか魔にすべきだろう。
黄:それでもせいぜい中学生水準なんだよぉ。
月:いっそ幽遠なるとか、荘厳たるを冠にする手もあるかと思ったけど、
微妙に長くなって結局は一回しか使われないやつになりそうだ。
【山より谷の方がハッピーエンドで大衆受けしそう】
月:何らかの事情で心の動きが鈍くなったが、
他人との触れ合いの中で人間らしさを取り戻していく王道展開がある。
黄:感動路線に持ち込みやすいんだよぉ。
月:逆に感情豊かなやつが少しずつ無機質になっていくパターンも考えられる。
黄:それはそれで、切なさが響くんだよぉ。
月:総合すると、低いところから上げて落とせば大ヒット間違いなしだな。
黄:こういう迷妄から勘違いした駄作は生まれるんだなと思わされるんだよぉ。
【他に顔見知りは居ないのかってくらい入り浸ってる】
月:或いはランダムシステムで、日に依ってテンションがバラバラとか。
黄:単に乱高下が激しい人になってるんだよぉ。
月:どうすればこういう面倒な人と付き合えるかという指南書になる。
黄:趣旨が変わってるんだよぉ。
月:私より厄介なやつなんて滅多に居ないとか本当のことは言うな。
黄:実際に相対すると、これほど扱いが難しいのも珍しい訳で、
良く会話が出来てると自分に呆れ返るんだよぉ。
しかし朱雀なんかも滅多に出てきませんし、事実上二人で良く続くもんだなと思います。本編の方で日本限定のネタが使いづらいせいで、こっちで消化してくれるのが助かるというのは何度か書いたような気もしますけど。
2020
デブリという言葉があります。フランス語に由来にするもので、ざっくり訳すと散乱した廃棄物といったところでしょうか。瓦礫、雪塊、廃石などが例として挙げられます。SFや宇宙関係では、スペースデブリの略称として用いられます。開発中に遺棄したり、事故などで散り散りとなって衛星軌道に乗ってしまい、地球を周回し続けているゴミを指します。途上期は環境意識が低く、進出速度が優先されたこともあって、ポイ捨て上等でした。少量であれば大した問題では無いのですが、積み重なると激突の危険性が増してきます。回収すると言っても、大海にバラ撒かれた発泡スチロールの破片を集めるようなもので、技術的にも労力的にも無駄なエネルギーを使うことになります。時間が経てば重力に負けて落ちてくることも多いようですが、デブリ同士がぶつかり合って更に細かくなるという厄介なパターンもあるようです。身から出た錆とはいえ、本格的に宇宙を目指すには避けては通れない問題になるみたいですね。
(・ω・) どうでも良いけど、スペースデブリって英語と仏語なのがモヤモヤする
【但し薄っぺらさを併せ持つ諸刃でもある】
月:パラレルワールドに永住することが確定したけど、
どんな世界かを選べるとしたら、どうする?
黄:中高生の妄想みたいなこと言い出してるんだよぉ。
月:本来、若者とは無限の可能性を持っているはずなのだが、
脳内で済まそうとする辺りに時代の閉塞感を覚える。
黄:そのフレーズ言っときゃ良いと思ってるんだよぉ。
月:心に潜む闇みたいなもんで、
それっぽい雰囲気を出すには便利だよな。
【簡単に言うけど出来るやつは極少数なんじゃ】
月:やっぱ評価されないことが勲章になるみたいな、
価値観逆転系が良いだろうか。
黄:単純に自分が有能で人格者なところにしたらどうなんだよぉ。
月:それ、私である必要あるか?
黄:意外にも、己の人間性を尊重してるんだよぉ。
月:というより、自我が連続性を持たない気がしてる。
黄:つまり他人を演じてる気分になるってことなんだろうけど、
核となる自身が無いから、そういったことになるんだよぉ。
【この域に達したら治療法は無いに等しい】
月:使えるセリフが三つに制限されたら、何を選択すべきだろう。
黄:またしても、どうでもいい想定してるんだよぉ。
月:『おんどりゃあ』と『痴れ者が』は入れることが確定してるんだ。
黄:汎用性を無視してて、ある意味で男前にすら見えてきたんだよぉ。
月:他人と同じ傾向に染まるなんて許せないからしょうがない。
黄:本当に精神年齢が十代半ばで止まってるんだなと、
再認識したくもないのに思い知らされるんだよぉ。
【犬や猫ですらもうちょっとボキャブラリありそう】
月:一般的日本人なら、『すみませんでした』『よろしくお願いします』
『毎度おおきに』さえ抑えておけば何とかなる。
黄:変なのが混じったんだよぉ。
月:相手が『ボチボチでんな』使いだった時のことを考慮しないといけないし。
黄:まさか複数人が対象とは思わなかったんだよぉ。
月:言葉が多すぎるから表現で揉める訳で、
ここまで絞られたら逆に人間関係とかが円滑になるかも知れない。
この縛りでゲーム的なものを作れるような気もするのですが、どうにも纏まらないので頭の片隅にでも置いて、時間を開けてから考え直してみるかもしれません。
2020
隠し球と呼ばれる行為があります。元は野球用語です。そもそもこの競技は、攻撃側が一塁ベース、二塁ベース、三塁ベース、ホームベースという4つの拠点を順繰りに狙い、最終的にホームベースを陥れた回数の多いチームが勝ちになります。そしてこのベースに、身体のどの場所でも良いから接触していたら安全な状態です。少しでも離れた上で、ボールを収めたグラブか手で触れられるとアウトとなり、ベンチへと下がらなくてはいけません。一般的に、投手がボールを保持してる間は、少しでも次の塁に行ける確率を高める為、進行方向ににじりよります。これをリードと呼びます。一方のピッチャーも、あまり自由に進まれると不利になるので、ボールを投げたり、振りをすることで走者を威嚇します。これを牽制と言います。隠し球は、この一連の流れの穴を突いたものです。例えば一塁にランナーが居る際、一塁を守る選手が投手にボールを渡す振りをして守備位置に戻り、うっかりリードをとってしまった時にタッチしてアウトにするというものです。卑怯と言えば卑怯な行為ですが、ルール上は何の問題もありません。ボールの所在をちゃんと認識していなかった攻撃側のチームが悪いという意見すらあります。プロ野球でもかつては何度となく見られましたが、ここ十年以上は記録されていないようです。非紳士的と見なされる為か、集中を欠かなくなったのかは分かりかねますが。転じて、秘密兵器とか、とっておきの秘策の様な意味合いで使われることがあります。本来の用法が廃れていく中で、別の生き方を見付けていく。言語もまた、生存競争に晒された生き物のようなものなのかも知れませんね。
(・ω・) しかしゼロから野球の説明するのって、本当に難儀だな
【宴会だけ意気揚々な中年社員は少なくない気もするけど】
月:最近、学生の飲み会に乱入してバカ騒ぎした上で、
同額だけ払うのを繰り返してるんだが。
黄:仮にも年長者なんだから多めに出せと言いたくなるけど、
精神年齢はむしろ下と言っても過言では無いから悩むんだよぉ。
月:目上なのに気を遣わせない、理想的関係だと自認している。
黄:社会にはこんなのがそれなりに生息してると思わせるのは、
卒業後に何らかの禍根となりそうなんだよぉ。
【これが指導者の端くれだというのは教育界の敗北なのでは】
月:とはいえ、一気飲みのような危険行為は嗜めるぞ。
黄:そりゃ現場に教授が居て搬送騒ぎにでもなったら、
全責任を負わされるんだよぉ。
月:こういう時だけ大人扱いは納得いかない。
黄:いつも利用してる肩書に振り回されるが良いんだよぉ。
月:どうにかして旨味だけを享受できないかと思考を巡らせるが、
打開策が思い付かないまま月日が流れていく。
【一部入りを目指して邁進する選択肢は無いのか】
月:意欲向上の為、教授の三部リーグ制を検討してるらしい。
これまでの実績で割り振って、一定期間で入れ替えするのだとか。
黄:末期の会社が行いそうな企画なんだよぉ。
月:問題は、最底辺で更に低迷した場合、除籍も視野ってことなんだがな。
黄:事実上、時限爆弾を手渡されるみたいな話なんだよぉ。
月:計画を潰すのと、委員を抱き込んで残留できる査定にしてもらうのと、
どっちが現実的か計算してるところだ。
【内心メッチャ焦っていたであろうことは想像に難くない】
月:結局、教授会の強い反発でお流れとなった。
黄:膿を出して患部を治療するより、腐ったぬるま湯を選んだんだよぉ。
月:実に人間らしいとも言える。
この手の既得権益を題材として論文を書こうかとも思う。
黄:当面は地位を脅かされなくなったから、テンション高いんだよぉ。
月:自らを切り売りすることも厭わない、研究者の鑑と言って欲しいものだ。
現実世界で飲み会の難易度が果てしなく上がっていますが、こちらでは特に問題は無いようです。大学生から飲み会を差っ引いたら、どうやって親交を深めたら良いんだという風潮すらありますが、結局はこの頃から飲みニケーションの下地が出来上がってる気がしてきました。
2020
鬼界カルデラと呼ばれるものがあります。キカイカルデラと読みます。名前はやたらといかついですが、地理用語です。カルデラとはスペイン語で釜や鍋を意味する言葉で、火山活動に依って出来た窪地も指します。火山というと、山頂から溶岩やらガスの類が吹き出すものをイメージします。しかし規模が大きくなれば、噴出した内部の空洞に地盤が耐えきれず、陥没して凹んでしまいます。その跡地がカルデラなのです。鬼界カルデラは薩摩半島から見て南方50km程の場所にある、固有名詞です。過去に何度となく噴火していますが、7300年程前を最後にひとまずは落ち着いているようです。その際に、南九州の縄文文化を壊滅させ、西日本に大打撃を与えたと言われるほどに強大なものなのだとか。物々しい名前は、縁にある薩摩硫黄島の旧名が鬼界ヶ島であったことに由来します。昔の人は分かっていたのか、火山島でゴツゴツとしているかなのかは、微妙なところではありますけどね。
(・ω・) 今一度爆発すれば、日本と言わず周辺は終わりを迎えるらしい
【主要産業が何になるのか想像できないけど】
月:学会で、数年前に発表したのとの矛盾をネチネチ指摘された。
黄:アンタの論文を読み込んでるのが居ることが衝撃なんだよぉ。
月:駄作映画マニアと似た感じなんじゃないか。
黄:言い得て妙ではあるけど、納得したくないんだよぉ。
月:世には、文句を付ける為だけに全シリーズ完走する猛者も多い。
黄:こういった非生産的なエネルギーを一点に集めれば、
国家の一つや二つ興せる気がしてならないのが残念なんだよぉ。
【無能ほど中身の無い仕事を抱えて満足する典型例】
月:書き終えた瞬間に過去のものとなるのに、憶えてる訳ないよな。
黄:学者として論外なことを、良くそこまで堂々と言えるんだよぉ。
月:最大で十二のテーマを同時進行したことがあって、
自分でも何がどうなってるのか分からない時期の話だし。
黄:黎明期の売れっ子マンガ家みたいなエピソードだけど、
何かしら名を刻んだ訳でも無い点が違いすぎるんだよぉ。
【若者の内に矯正できなかったら一生そのままなんじゃなかろうか】
月:初めて手料理を振る舞われた時、
無理しても美味いと言わないといけない風潮が納得いかない。
冷静に考えてみろ。次があれば、その味が基本線になるんだぞ。
黄:弁当わけてやって、その言い草もどうなんだよぉ。
月:個性的な味とどっちが良いか、悩んだ末の発言だ。
黄:素直にまずいと言われた方が、後腐れなかったんだよぉ。
月:こういうところが社交性不足の原因なんだろうけど、
どうやったら直せるか未だに分からんし、やる気も大して無い。
【実用性皆無で低レアリティでもフルコンプしたくなるやつだ】
月:世界は広いし、口に合う民族が無いとは言い切れない。
何なら範囲を動物全般に広げる手もある。
黄:その追い打ちが、天然なのか悪意込みなのかが謎なんだよぉ。
月:こと食い物に関して普通って褒めてない雰囲気あるけど、
無難で大衆に受け入れられるって、それはそれで難しいよな。
黄:二度と食わせてやらないことだけは心に誓ったんだよぉ。
月:純粋に味だけを評価するなら何一つ問題は無いんだけど、
一生、口に出来ないと思うと少し惜しい気持ちもあったりする。
本編の黄龍はそれなりに料理が出来るはずですが、こちらはそうでもないようです。単に月読以外の登場人物が黄龍しか居ないから、役割を押し付けられた感じはありますけども。