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2022

1030

 殺生という言葉があります。セッショウと読みます。生きているものを殺すことを意味します。ひっくり返すと生殺でセイサツと読みますが、こちらは生かすことと死なせることになるので、かなり変わります。仏教用語としての面が強く、殺生戒というのは文字通り殺めることを指す大罪になります。この場合、人間に限らず生物全てが対象なので、現代科学で考えると守るのは難しいでしょう。例えば侵入してきた細菌を免疫機能が敵と判断したら意思とは関係なくやっつけに掛かる訳ですし。不必要に殺るなくらいの解釈が健全なのかも知れません。転じて、惨たらしい様の表現としても用いられます。血塗れの死屍累々なイメージから派生した割には、軽い使われ方をする気がしますけど。関西方面で誕生した用法らしく、厳しい扱いを受けた時に、殺生な、と返すシーンはたまに見掛けます。人間関係が壊滅するより手前だとすると、残虐無比な行いからは遠いと言えるでしょう。根本的な話として、生命が何であるか解明されない限りその価値は確定しないような気もしています。しかし失われた命が元に戻ることは無い以上、大事にせざるを得ないんですかね。

(・ω・) 他種から見たら、奇異極まりない価値観だろうな

【当然ながら兵士を増やせばそれだけ飲食物が要る】
麗:我らが領土に侵攻してくる軍が苦戦する理由として、
 水場の確保が困難であるからという仮説を纏めました。
千:限られた水源を絶対に渡さないもんなぁ。
茜:乾ききった兵士なんて、病人と変わらないでしょ。
麗:数に任せての力押しが不可能というのは、
 敵側からしたら頭が痛いと思われます。


【人体に影響があるという意味で毒と薬は大差が無い】
茜:後はわざと渡した土地の井戸に腹痛の毒を入れてみたり。
  命に別状は無いけど、怖くて他のも飲めなくなるのよ。
麗:下手に殺すより、生きたままの方が足手まといです。
千:怖いこと言ってる。
茜:遅効性で時間差を付けるとか、色々と考えられるよね。
千:たまに大陸や南蛮の薬学書を読み漁ってると思ったら、
 とんでもない応用をしてるんだなぁ。


【勝者が恥部を闇に葬るのは常套手段】
千:でも、雨季だと相手もかなり楽になるんじゃないの。
茜:水を手に入れるって意味ではそうかもだけど
 進軍や情報伝達が遅れるから、こっちに利する部分のが大きいよ。
麗:環境の全てを活用する、指揮官の鑑です。
千:そこまで苦労して獲ったところで、大した旨味が無いのがまた。
麗:後世には、集落と呼べる規模のものは無かったと、
 文字通り歴史から抹消されるかも知れませんね。


【茜が存在しなくても別の誰かが引っ掻き回すだろうし】
千:こうして気楽に飲んでる一杯の白湯も、
 源泉や薪があってのことだと考えると感慨深い。
麗:泰平の有り難みを実感します。
茜:それを知った上で厄災たろうとするって業が深い。
千:これに対してどう返すのが模範的なのか、
 未だに全く分からなくて困り続けてる。

 加藤清正は、唐入り時の経験から熊本城に井戸を掘りまくったとされています。そこから250年以上経った西南戦争でも難攻不落を誇ったそうなので、築城に於いて外せない要素であることが伺えますね。
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2022

1028

 リンチと呼ばれる行為があります。英語では、lynchと表記されます。御存知の通り、法律に則らず裁くことを意味します。私刑と訳されることが多いでしょう。特に暴力を伴う事例に使われがちで、場合に依っては死に至ることさえあります。語源は諸説ありますが、アメリカはバージニア州のウィリアム・リンチ氏に由来するというのが有力視されています。彼は独立戦争前後の人物です。一種の裁判官だったのですが、暴徒を鎮圧する為に手続きを無視して力で捻じ伏せました。これがリンチ法などと呼ばれて輸入された訳です。治安維持という名目はあったにせよ、悪名として残っている辺りかなり苛烈であったことが伺えます。なので原義としては、とても正規の手段であるとは言えないけど、その集団なりの理屈があるケースを呼ぶべきなのでしょう。単なる弱いものイジメよりは、暴走族の足抜けでボコボコにするみたいな。どんな状況だろうと、抵抗できない相手を一方的に攻撃するのは人としてどうかと思いますが、まともじゃない環境で冷静な判断を下すのは難しいってだけの話かも知れません。

(・ω・) 当時のアメリカに、ちゃんとした法制度がある印象はないけど

【橋を架けるか迂回路を探した方が百倍は楽】
結:水上戦をやってみたい。
岬:うちの領土に海は無いんですが。
海:その気になれば、河川でも可能なのでは。
綾:大陸ならいざ知らず、
 幅が狭くて急流の日の本で行う意義は少ないですわね。
岬:雨の前後で水量が全然違いますし、
 浮かべておくだけで大変そうです。


【広義では戦の類も文明的活動だしなぁ】
舞:せめて、川を挟んで対峙する王道のやつを。
綾:領土の境界線であることも多いですし、
 軍略の上で重要な立ち位置ですの。
海:水を汲んだり、洗濯をするだけの場所では無いのだな。
岬:一気に庶民的になりました。
結:水辺とは文化を育む土壌であるのに、
 争いの種とする人はなんと愚かなのだろうか。


【まず何処の大大名に追従するかで紛糾して分裂します】
岬:百姓が水利で揉めて殺し合いに発展だなんて、
 珍しくもないじゃないですか。
結:生きるとは、かくも過酷なものなのか。
綾:結局、上が仕切らないから対立し続けるというのが、
 世が纏まらない元凶となりますわ。
舞:そういった意味で家老殿のお陰で我らの国は落ち着いているのだが。
海:居なくなったらどうなるかとか怖いから考えないでおこう。


【衝突回避が最善だけど完全には不可能だし】
海:水場の戦いと言えば、背水の陣はどう考えても頭おかしい。
綾:前の敵を撃破するしか無くなるのですから、合理的ですわ。
結:そんな、逃げたら種子島で撃つぞみたいな真似を。
舞:恐るべきことに、二千年近く前の史書に書かれているらしい。
岬:真っ黒な上官というのは、いつの時代も居るものです。
綾:負けた方が悲惨なのですから、
 むしろ情に溢れてるとして欲しいものですの。

 背水の陣というと楚漢戦争の韓信が有名ですが、これは手勢が寄せ集めで死中に活を求めないと勝機を見出だせなかったという事情もあったそうです。うまくいったから伝説となっていますが、まともに記録されてない失敗例も多くあるんでしょうね。

2022

1026

 バロメーターというものがあります。英語では、barometerと表記します。本来の意味は気圧計です。御存知の通り、空気の密度というやつは一定でなく、気象状況に依って変化します。気圧が下がると気分が落ち込んだり耳鳴りがするなど、身体に影響が出ることもあります。古来より感覚的に理解していた部分はあったでしょう。科学的に数値化されたのは、17世紀に入ってからです。最も古典的な装置は水銀を用います。水銀を満たした縦長の器を液体の表面から離さずひっくり返すと、内部に真空が発生します。これは水銀の比重が高い為に大気が押し返す力に勝るからです。その長さは76cmが標準で、水で同じことをやろうと思ったら10m以上が必要となります。この76cmというのが曲者で、厳密に測定すると日々変化することに気付きました。空気が薄くなれば短く、逆であれば長くなります。水銀は人体に有害なので現代だとあまり使われていませんが、長年この原理を応用した器具を使って気圧を測定してきました。そして気圧計は、晴雨計という別名もあります。気流は気圧が高い方から低い方に向けて発生するので、雨雲も風下に溜まります。つまり低気圧になると雨が降りやすくなるということです。古傷が痛むから天気が崩れる的なシーンがたまにありますが、あながちオカルトという訳でも無いのです。ここから転じて、何かを判断する指針をバロメーターと称することがあります。天候は農業を始めとして凄まじく重要な情報ですが、人工衛星から雨雲を注視するなんてのは最近になってのものです。経験則を可視化したのは、結構な偉業と言えるんでしょうね。

(・ω・) 単位であるミリバールを知っているかで年がバレることもあるぞ

【当時の海軍は海賊業で食ってた割合が大きい】
公:水軍が、欲しい。
遊:一応、契約してるのが居なかったか。
公:あんな情勢と金次第でどう転ぶか分からんのじゃなく、
 自前の直属部隊って意味だ。
莉:大大名ですら持ってるのは少ないんじゃなかったっけ。
遊:陸上の軍すら御してるとは言い難いのに、
 良くそこまで高望みをしたものだと感心すらする。


【歴史は見切り発車でしか動かないとも言えるんだけど】
遊:設立に必要な人材の登用方法と育成に掛かる時間、
 維持も含めてどれだけの費えが求められるかを計算したのか。
公:安くはなさそうだ。
莉:ざっくりすぎない。
公:こういったのは勢いで始めないと形にならんからな。
遊:そして後世に瓦解の発端であったとされるのが、
 お決まりの流れとなる訳だ。


【どれかというと説き伏せる力が欠けているだけでは】
公:しかし海路を抑えれば交易に有用で、
 資金繰りが楽になるという利点もある。
莉:先進的な考えなのかな。
遊:支配地域を広げてからでないと旨味は少なそうだ。
莉:あれも足りぬこれも足りぬで、やっぱり使いこなせないんじゃ。
公:先取りしすぎると凡俗がついてこれないのは、
 いつの時代も変わらぬものなのだなぁ。


【傍目には立場に潰されて壊れたとしか思われないだろう】
公:ちなみに輿すら酔う方だから、船の上で戦とか絶対に無理だ。
遊:船員に軽んじられるな。
莉:武芸に秀でてないと、他が優れてても一目置かれないのが武人だし。
公:誤魔化すのと潔く告げるので、どっちがマシになるんだ。
莉:克服するって選択肢は無いの。
公:そう言って持ち上げた畳に俺を乗せて、
 ゆっさゆっさと揺らす気だろ、分かってるんだぞ。

 船酔いは、三半規管が感知した情報に脳が対応しきれていないせいで発生するというのが現代的な解釈です。なので個人差はあるものの経験を積めば軽減されるはずではあります。そこに至るまでが大変であることは事実なんでしょうけど。

2022

1023

 獏と呼ばれる生物が居ます。バクと読みます。ウマ目バク科に属する動物を総称したものです。南北アメリカ大陸と東南アジアに生息し、体長は2メートル程度といったところです。身体は太めの流線型で、体毛は少ない種が多くなります。草食性で森林と水辺を好み、前方に突き出した頭部と鼻が特徴的です。同時に、東アジアに伝わる幻想動物の名でもあります。姿形は諸説ありますが、熊の胴体、牛の尾、虎の足、象の鼻、犀の目というのが一般的なようです。悪夢を食べてくれる俗信が有名で、縁起が良いものとして扱われます。なんなら皮を敷物にすれば破邪の効果を得られます。なぜ同名なのかと言えば、マレーバクの姿が似ている為に混同したという説が有力視されています。順番として、現物がモデルとなったのか、結果的に被ったからかは分かりませんけど。実物を使うのはハードルが高いので、獏を模した枕なんかが安眠に繋がるとして用いられます。よく寝れるかなんて精神的なものが大半でしょうし、割と効果があったんじゃないですかね。

(・ω・) ちなみに莫は、否定とか虚しいって意味らしい

【余計な一言で冷や飯を食わされるのは時代を問わない】
千:たまに、何でここまで血眼になって働いてるのか、
 疑問を覚えることがある。
茜:もうちょっと強めに洗脳しないと駄目かな。
千:何か、不穏なことを口にしませんでした。
茜:ここで気付かない振りを出来るかが器量って人も居るよ。
千:大人なら備えて当然の処世術かも知れないけど、
 その域に達するのは一部なんじゃないかと思う。


【独裁と呼ばれる段階になって初めて気付くものだ】
茜:だけど考えてみて欲しい。
  浮世で生きる理由なんて、御家、寺社、使命感なんかの為であって、
 誰かが勝手に設定したからって問題があるかな。
千:詭弁や居直りと呼ぶのでは。
茜:全体の幸福を目指すには、多少の調整は許されるよね。
千:本当に幾らかで済むなら必要悪の範疇だろうけど、
 歯止めを掛けられなくなる気がしてならない。


【人生に飽きた老人みたいな感性をしてるな】
麗:私は設定された目標に向けて、
 少しずつ作業をするのが好きなので構いませんけど。
千:こういうのを理想的官吏と呼ぶのかも。
茜:逆に野望を芽生えさせたくなるんだけど。
千:何処まで天邪鬼なんですか。
茜:もちろん歯向かうなら全力で潰す訳だけど、
 討たれたとしてもそれはそれで過程を楽しめるかなって。


【聞き入れて貰えるかは考えないことにする】
千:茜さんこそ、この歪んだ情熱は何処から湧いてくるんだろう。
麗:人ならざる存在に動かされているとしたくもなります。
茜:穏やかな水面に石を放り込んで波紋を広げたくなるのは、
 誰の心にもある挙動だよね。
麗:泰平の世なら分からなくもありませんが。
千:この諍いが絶えない時世で掻き回し続けるのは、
 普通ではないと進言しておきます。

 結局のところ、荒んだ時代がトリックスターを生むのか、トリックスターが時代を荒ませるのかは良く分かっていません。とはいえ英雄に置き換えても永遠に答が出ないであろう辺り、傑出した個人の影響力というのは馬鹿にできないものな気がしてきました。

2022

1021

 ネオンと呼ばれるものがあります。英語ではneonと表記されます。元素の一つで原子番号は10です。いわゆる希ガスに分類され、化学的に非常に安定した物質です。自然界に化合物がほとんど存在しません。単原子で大気中に含まれているのですが、沸点がマイナス二百何十度にもなるので、液体と固体に接する機会はほぼ無いと思われます。19世紀末、分留実験をした際に発見されました。十数年後、ネオンを満たした管に放電すると綺羅びやかに光ることが判明します。現代でもネオンと言えばネオンサインの略称として、照明の一種であると認識されています。但し、ネオンだけを使って出せるのは赤系統のみです。他の色にしたい時は、アルゴン、キセノン、ヘリウム、クリプトンなどを使用します。繁華街で広告として用いる印象が強く、ネオン街は同義として通用します。とまあ、かつてはそれなりの権勢を誇った灯りなのですが、消費電力が大きいことや取り扱いの難しさ、環境問題やらもあって減少傾向なのだそうです。代替として、LEDが主流になっているのだとか。マッチも見掛けなくなりましたし、技術的な世代交代は避けて通れないものなのでしょうね。

(・ω・) 世紀の発明である白熱電球だって、消えゆく運命だもの

【最前線の陣屋でも楽な体勢でいそうなところがある】
結:目先の報奨に釣られて、俄然やる気になります。
舞:大局観という言葉は捨ててきた。
海:そう、我々こそお手軽三姉妹なのだ。
綾:乱世だというのに、ここだけは泰平ですわ。
岬:常に張り詰めていても仕方ありませんし。
結:御館様が仰るのかと、触れて良いものかが悩ましい。


【有能な野心家というのもそれはそれで厄介なんだけど】
綾:馬の鼻先に飼い葉を吊るせば疾走し続けるとは言いますの。
海:彼奴らも、そこまで単純では無いのでは。
舞:普通、すぐ気付くよね。
結:というより、それで走るのは駄馬な気が。
岬:最後は自己紹介になってませんか。
綾:大した能力も無いくせに自尊心だけが肥大化しているより、
 よっぽど扱いやすいですわ。


【国境の砦を落とされたら洒落にならんからな】
空:凄まじい勢いで働き出したかと思えば、突然の虚無感で脱力する。
  我ながらどういった理屈でこうなるか良く分からん。
岬:心が病んでいるように思えます。
海:バッサリと切り捨てた。
綾:不安定なせいで、どれほど有能でも要を任せる気になりませんわ。
空:やたら手間な計算仕事ばかり回されるのは、そういった理屈だったのか。


【応仁の乱の顛末をキチンと説明できる人は稀少らしい】
結:その時々で、的確な餌を用意してくる家老殿は凄いと思う。
舞:甘味が欲しい時もあれば、癒やしを求めることもある。
海:この機微ゆえに、なんやかんやで動かされてしまうのだなぁ。
岬:手の平で転がしてますよね。
綾:これをこなせずして、国家の支柱とはなりえませんの。
空:出来なかったから世が乱れてしまったというのは、
 言ってはいけないやつになるのか。

 日本史の起点を資料がそれなりに残っている奈良時代辺りからとすると、大雑把な勢力数が二桁以上になるのは後に戦国時代と呼ばれた時だけかと思われます。中央政府の弱体化は民が被害者になるだけなのですが、強すぎてもダメな辺りが面倒ですよね。
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