2010
日曜日のテレビ討論を幾つか見ましたが、野党系の出演者が声を揃えて、『テレビ討論で充分とか、国会軽視も甚だしい』と語気を荒げていました。当たり前です。つーか、そういうこと言うなら、総理が出て来い、総理が。街頭演説で適当なことくっちゃべってんじゃねぇよと。
( ・ω・) ってか、テレビの方が効果大きいと思うんだが、やっぱり失言を心配してるのかな
ヒュン。
風切り音が、耳に届いた。
うわ、これ、本当に上等な剣だ。始めて手にしたっていうのに、長年慣れ親しんだあの鋳型の剣くらい違和感無く振るうことが出来てるし。
続け様に、二本目、三本目も同じ様に扱ってみたけど、感想は似た様なものだった。バーネットさん、本当、商売を抜きにすれば良い職人なんだなぁ。世の中、どれだけ埋もれた人材が居るのかと、ちょっとだけ壮大なことを考えてみる。
「で、と」
四本目の柄を握った瞬間、今までにない感覚が全身を走り抜けた。
今の、何? まるで身体の器官が一つ増えたみたいだ。切っ先に触れる空気の流れを、指に感じることが出来る。剣を本格的に習い始めて三年以上経つけど、こんなことは今までに無かった。
「はぁ……はぁ……」
気分の高揚が、吐息に漏れる。や、ヤバいって。これじゃ只の危ない人だよ。
湧き上がってきた感情を無理矢理に理性で抑え込むと、五本目に手を掛ける。これも悪くない剣だ。だけど四本目の衝撃の強さのせいか、物足りなさを覚えて、すぐさま地面に戻してしまう。
「聞くまでもねぇかも知れねぇが、どれが一番気に入った?」
「この、四本目の、です」
今までの僕にとって、剣っていうのは最低限の護身具に近かったはずだ。だけど、この剣は違う。剣士として未知の領域に運んでくれそうな、そんな印象さえ受けた。
「これは一体、何なんですか? 明らかに、他の四本とは違いますよね?」
思ったことを素直に口にしていた。たしか剣の好みが合致したら譲ってくれるって話だった気もするけど、そんなことはどうでもいい。唯、この剣の素性を知りたかった。
2010
何かもう、民主党の動きが酷すぎて、突っ込む気力も無くなってきたんですが、もしやここまで作戦ではと思う今日この頃。まあ、無いでしょうけど。
つーか、この期に及んで消費税アップを確定路線にするとか、チャレンジャーですなぁ。挑むべきところで挑むべきだとは思いますが、民主党らしくこっそりやれば良いのに。
( ・ω・) 小沢が押し込められて、統一性が無くなってきたってことかな?
「てめぇに、剣の良し悪しが分かんのか?」
「良し悪しを論ずるにはおこがましいことだと思いますが、好き嫌いなら言えます」
医者とかもそうだけど、結局、僕みたいな一般人にとって信頼の原点って、好みのレベルの問題だと思うんだよね。シスやアクアさんと旅立ったのだって、そこが出発点だし。
「正直な奴だ」
言ってバーネットさんは、近くの麻袋から小剣を五本引き抜くと、玄関の土間に突き立てた。
「俺はどうにも商売には徹しきれねぇ性格でな。四十年の職人生活で何本か作れた会心の作は卸しもしねぇで、こうして手元に置いてある」
「もしかして、譲って貰えるんですか?」
「話は最後まで聞け」
はい、ごめんなさい。先読みしすぎるのが僕の悪いところです。
「こいつの中から、てめぇが一番、好きな剣を選びな。それが俺と一致したらくれてやる。
但し、助言は無しだ。何だか知らねぇが、そっちの嬢ちゃんからは碌な気配がしやがらねぇ」
「ん?」
職人道を歩いていると、シスみたいな訳分からない嗅覚を持った人を見抜けるようになるのかしら。まあ、最初から自分で選ぶつもりだったから、別にどうでも良いんだけどさ。
「じゃ、失礼して」
膝を折ってしゃがみこんで、順に流し見た。一見した限り、どれもかなり良い剣だ。爪に軽く触れただけで薄く削ぎ取れる刃の鋭さと、生半可な衝撃では折れそうもない強靭な刀身。成程、これを会心の作っていうバーネットさんの話は、正しいみたいだね。
「――」
次いで、左端の一本を引き抜くと、横薙ぎに振るってみる。
2010
約束を守ることは大事だと良く言います。では、何故約束を守らないといけないのか。単純に、信義を損なうからです。オオカミ少年の例をとるまでもなく、嘘をつくと信頼を失い、結局は自身の利益を損ないます。企業が使う手形なんかも、二回、現金化出来ないと倒産になりますし。
詰まるところ、出来ないことは言わない、言ったことはやりきるというのが正しい人間というか、普通に生きていく上でのコツでは無いでしょうか。反故にしても押し切るだけの力があるなら、話はまたちょっと変わってきますけど。
( ・ω・) 何が言いたいって、マニフェストの修正とか舐めてんのか、民主党
「もう、いっそやるだけやったことにしてゴメンナサイしようか?」
世界経済の危機も大事だけど、そこはクワットさん辺りの専門家に任せるのが筋じゃないかなぁ。そりゃ、出来ることなら何とかしたいけど、下手な期待を持たせるのも残酷な気もするんだよ。
「一度引き受けた以上、やることはちゃんとやるのが筋ですわよ」
「やっぱりそうですよねー」
何だか、わざわざたしなめられる為にやる気の無さを出した様な。
ま、男の子って、そういうところがあったりするよね?
◇
「ふぅん、スピル、なぁ。そんな奴が居やがるたぁ、末世って奴は嫌だねぇ」
とりあえず僕達は、数少ない顔見知りであるバーネットさんの所にお邪魔していた。
どうやら、殆ど寝ていないみたいで、目の下にくっきりと隈なんか作っている。年が年なんだから無理しないで欲しいんだけど、止めるのは無理なんだろうなぁ。
「何か、手掛かりになりそうなこと、知りませんかね」
「さぁてなぁ。商工会には付き合い程度にしか顔を出さねぇから、そういった世情はちと分からん」
僕が言って良いものか分かりませんけど、もう少し目の前の仕事以外のことも考えた方が良いですよ。
「まあ、最初からそんな当てにはしてませんでしたから」
「連日おちょくりに来るたぁ、いい度胸だ」
何と言うか、僕なりの親愛の情のつもりなんだけど、理解はされないだろうなぁ。
「と言いますか、今のは只の枕でして」
「あぁん?」
「今日は、バーネットさんが作った剣を見てみたいなぁって思いまして」
ジョージさんの所を含めて何件か武器屋を回ってみて、それなりの品は幾つかあったんだけど、どれも決め手に欠けていた。折角だから、どの程度の腕か拝見させて貰えればと思った訳で。
2010
先日、国会が閉会しましたが、新総理になって、党首討論も、予算委員会もやらないとか、お前ら、ギャグでやってるのかと。しかも枝野幹事長に至っては、『テレビとかで討論すればいいじゃない』と言い放つ始末。国会での討論とテレビ討論を同列に語るのかよ。国民から選ばれた議員と、キャスターが同列か? あぁん?
( ・ω・) 枝野氏は、地味に屁理屈が多いことに、勘付いてきた
「だ、大丈夫、大丈夫。あたしの所属はアリアハンギルドだよ? こんな遠くまで刺客はやってこないでしょ」
「それって、世界的義賊だって標榜してるシス自身と矛盾しない?」
「むぅ」
たまには、シスをいじっておちょくるのも楽しいかなって思わなくもない。
「経口系の毒に、毒消し草って効いたっけ?」
「僕が知る限り、大体の毒には対応してた気がするけど」
よくよく考えてみたら、それも凄い話だよね。バブルスライムだろうと、ポイズントードだろうが、腐った死体だろうが効果を発揮するって、キメラの翼並にとんでもない発明品だと思う。それが安価で市場に流通するって、先人は偉大だなぁ。
「毒消し草とキアリーって、どっちが先に開発されたんだっけ?」
「正確には、把握しておりませんわ」
「どっちも無かった頃って、バブルスライムなんかでも相当の脅威だったんだろうね。世に出回った時は、相当、時代の変化を感じたんじゃないかなぁ」
あれ、何の話だっけ?
「そういった生活に密着した必需品の値を釣り上げようとしている方々を許す訳にはいかないという話ですのね?」
「うん、いや、まー、そういうことで」
うまいこと話を繋げてくれたアクアさんに、ちょっと感謝することにして。
「具体的に、何をしようか?」
繰り返すけど、この町には何万人といった人が居る。しかもクワットさん並の情報収集力を持っていると仮定すると、下手な動きを見せればすぐさま相手に伝わることだろう。ってか、既にバレてるかも知れないのに、こっちは何の情報も無いとか、悪条件にも程がある。
2010
つー訳で、トップを見てもらえば分かる通り、それゆけ黄龍ちゃん! の第九期を始めることに決めました。今までにない、書き下ろしでの連載。多分、月2くらいで行くかなぁと。やる気次第ですが。と言いますか、ブログ連載だと月5の勘定になる訳ですが。どないやねん。
尚、エンプレスとは女帝のことだそうですがヒロインでもある武則天の出番が増えるかどうかは知りません。今までとはペースが違うので、流れがどうなるかも、知ったこっちゃありません。
( ・ω・) 何だいつもどおりじゃないかと思ったあなたは、私のことをそこそこ分かっています
うーん、内部分裂工作は、南の海賊団で失敗した経緯があるからなぁ。そう、思った通りに動くとも思えないけど、まあ、探すくらいならやっても良いかな。
「分かりました。やるだけはやってみます」
この、何万人居るとも知れない巨大都市に隠れ住んでいる、地元の人間でさえ把握してない重要人物を探しだせとか、勇者の過大評価にも程があると思う。
でもまあ、鞘が出来るまで暇といえば暇だし、引き受けるだけなら無責任じゃないよね?
「あ、ありがとうございます。これで、これで奴らの鬼畜の如き所業を止める一筋の光明が見えました。何と御礼を言って良いものか。今でしたら、差し出せる財を全て吐き出してもいい気分です」
「……」
ヤバい。ここまで感謝されると、かるーい気持ちで引き受けたことに、凄く罪悪感を感じるんですけど。
「ぜ、善処します」
結局、いつもみたいに歯切れの悪い返答をしてしまう訳で。
勇者って、本当に何なんでしょうね。僕にはちょっと、分からなくなってきましたよ。
◇
「御飯、御飯、御飯が美味しい~♪」
「いつものことだけど、テンション高いよね」
それにしても、朝食を口にしながら変な歌も同時に発するシスは器用だよね。
「そういえば、シスって盗賊ってことになってるよね?」
「その言い方は心外だなぁ。あたしは、正真正銘、純血の盗賊だってば」
「色々と、恨みも買ってる立場のはずなんだよ」
「悪い奴からしか盗らないから、むしろ勲章だけどね~」
「いや、考えように依ってはいつ毒を盛られてもおかしくないのに、よくパクパク食べられるなーって思ってさ」
食事を運ぶ手がピタリと止まったのは、ちょっと面白かったりする。