饕餮と呼ばれる怪物が居ます。トウテツと読みます。渾沌(コントン)、窮奇(キュウキ)、檮杌(トウゴツ)と並ぶ四凶の一柱です。饕は財産を、そして餮は食べ物を貪る意があります。その名の通り、貪欲の象徴とでも言うべき存在です。殷から周に掛けての中国で、饕餮を模した文様が青銅器などに良く刻まれていました。外見はいわゆるキメラで、牛か羊の胴体に人の顔、角は曲がっていて牙は虎というのが一般的です。生まれは高貴だったものの気質を抑えることが出来ずにやりたい放題して、当時の帝に追放されました。その時の仲間が四凶で括られているのです。森羅万象、実在する物質どころか霊体まで食い散らかしてしまうので、魔の類も祓ってくれると厄除け扱いされることもあります。言うなれば四凶とは、刃を交えた結果、態度はツンケンしているものの何やかんやで味方として立ち回ってくれる王道キャラなのかも知れません。しかし人気が出るポジションにも関わらず、四神と比べて知名度が壊滅しているのも事実です。理由は幾つか考えられます。四凶は全て既存の生物を混ぜ合わせた見た目をしているのも一つでしょう。イメージに一手間掛かるのは、それだけでとっつきづらいのです。使っている漢字が珍しいのもありそうな気がします。マニアはこういった知る人ぞ知るネタを好みますが、ライト層に訴えかけないと売れないのは周知の事実なのです。 (・ω・) 窮奇は辛うじて常用漢字で表記可能だ 【何代も続く因縁に決着とか物語だけですよ】 朱:私達で一番のお金持ちってどなたでしょう~。 白:黄龍じゃないことだけは間違いない。 黄:最下位は朱雀だから安心するんだよぉ。 朱:そういえば尋常ならざる借金がありました~。 白:危機感が無いよね。 黄:どうやったって今生で返せないし、 転生後に丸投げする気で満ち溢れてるんだよぉ。 【こんなのが支柱を任されてるってどうなんだ】 白:個人資産って意味では麒麟とかかな。 エグい集金システム確立してそう。 朱:偏見が凄いです~。 黄:青龍が許さないんだよぉ。 白:そうなんだろうなとは思うけど、 経理とかサッパリだから確証は無い。 【人がこの境地に至るのは難しい】 朱:白虎さんは運用とかしてないんですか~。 白:畜産関係への投資を考えたことあるけど、 先々より今日の肉だと悟った。 黄:潔いんだよぉ。 朱:その気になれば野生へ戻れる方は、 蓄財に意義を感じません~。 【詭弁がうまくなるのは良いことなのだろうか】 朱:気になって仕方ないので、 皆さんの懐事情を探ってみたいです~。 白:マイルドに下世話なことを。 黄:でも多少は共感できるんだよぉ。 朱:神様が金銭に対してどういうスタンスか知るのは、 勉強になるという言い訳を用意しました~。 個人での借金というとユリウス・カエサルが良く話題になります。俺を出世させないと不良債権になるぞと逆に脅した豪傑ですが、日本に近い人物は居たんでしょうか。初代総理大臣である伊藤博文は遊びすぎて首が回らなくなったそうですけど、流石に国家予算級では無かったみたいですね。 PR タランチュラと呼ばれる生物が居ます。生物学的には主な生息域がイタリアのタランチュラコモリグモを指します。港町タラントが由来になっていて、とある伝説で有名になりました。それは噛まれると気が触れて踊り狂うというものです。放置すると死に至るので、タランテラという舞曲で打ち消す必要があります。実際のところはアホみたいに騒いでいたら咎められたので、クモにやられたせいですと言い訳をした流れなんですけど。事実としてタランチュラコモリグモに毒はほぼ無く、そもそも滅多なことでは攻撃してきません。しかし風聞がしばしば真実より強いのは世の常で、ヨーロッパ全域に危険生物として知れ渡ってしまいました。この影響は凄まじく、大柄で毛むくじゃらという外見的類似点を持つオオツチグモなどの別種も俗にタランチュラとしたほどです。何なら軍曹の愛称で親しまれているアシダカグモすら称します。とはいえ虫博士でもない我々に、一見して判別しろというのは無理な訳でして。通称なんて適当なもんだと思わされる次第です。 (・ω・) 嘘は止め処なく広がるって言うけど究極形よね 【いわゆる奇跡のコンビネーションってやつだな】 月:ビールとは、大麦、ホップ、酵母、水を原料とする、 発泡性の酒を指す単語だ。 大麦の麦芽糖を発酵させて、ホップで風味付けする。 朱:独特の苦味が特徴らしいです~。 黄:ホップの味わいだけど、 品質と日持ちにも貢献してる辺り良く出来てるんだよぉ。 【そこまで哲学的な問答なのかしら】 朱:発泡酒って何なんでしょう~。 月:日本の法律では麦芽の使用率が五割未満のものを指す。 足りない分は、小麦、米、トウモロコシなんかで補う。 黄:過半数が別成分だとビールを名乗れないのは、 テセウスの船っぽさがあるんだよぉ。 朱:記憶の半分以上が偽物だとしたら、 自分である確証を得られないみたいな感じです~。 【理不尽に耐えて人格を成長させるのじゃ】 月:日々量産を続けているが、須佐之男が酒豪だから問題ない。 朱:アマチュア製を間断なく飲まされるのもどうでしょう~。 黄:家庭菜園のお裾分けは断りづらいんだよぉ。 月:弟とは、姉の横暴に振り回される為の存在である。 黄:極めて偏った価値観のようでいて、 一部では真理らしいのが困ったものなんだよぉ。 【シラフじゃないと美味しさが分からないって構造欠陥では】 月:何にせよ、酒は文化を語る上で外せない素晴らしいものだ。 朱:そんな拘りを持つほど詳しかったですっけ~。 黄:半可通は、根拠も無く極めたと勘違いしがちなんだよぉ。 月:少し酔ったらどれでも大差なくなるのは否定しない。 黄:酒飲みにあるまじき発言のようでいて、 割とそんなもんの気もするんだよぉ。 最後になりますが、あくまで神様である月読がやってるから問題にならないだけです。日本国内で免許を持たない個人や業者が酒を造ると罰せられます。とはいえ税収にならんからという、ふざけたものが根拠になってるのは怒っていいとこなのかも知れませんけどね。 豚骨と呼ばれる食品があります。トンコツと読みます。文字だけ見ると豚の骨で、食材そのものも意味します。しかし一般にはこれを原料としたラーメン、ないしはスープを指すことが多いと思われます。白濁するほど煮込んで骨髄から旨味成分を抽出した液体の総称です。このままでは臭みが強いので、生姜やニンニクなどの香味野菜を加え、塩、醤油辺りで調味して頂きます。日本に豚を食べる習慣は無かったので、歴史はさほど長くありません。鎖国時代、各地で細々と育てていた記録はありますが、国策で大々的に行われたのは明治以降です。強いて言うなら沖縄ですが、庶民が日常的に食べ始めたのは戦後で、それまでは御馳走的立ち位置でした。めっちゃ遡ると仏教で肉食を禁じる以前は飼育していたっぽいですが、いずれにしても1000年以上の断絶があった訳です。一方、本場とも言える中国ではそれこそ千年単位で豚骨を用いたスープに親しんできました。馴染みがあるのか、日式ラーメンと言えば豚骨というくらいなんだそうです。輸入したものを魔改造して本場に送り返すのは、実に日本的と言える気がしてなりません。 (・ω・) 福岡の屋台なくして、この系譜は語れない 【古物商じゃあるまいし簡単にはいかんよ】 月:混成酒は醸造酒や蒸留酒をベースに、 ハーブや果実、糖類なんかで味を調整したものだ。 朱:これなら法的に許されるんじゃないですか~。 月:ところが少しでも発酵する作り方はアウトになる。 朱:もう正式に免許を取得した方が、 面倒が少ないのではと思い始めてます~。 【無責任な発言をさせたら右に出るものは居ない】 月:元は薬用酒とされている。 有効成分を溶かした方が吸収しやすいからな。 朱:薬という名目で飲みまくる方が出そうです~。 黄:般若湯と化してるんだよぉ。 月:何事も言い訳の有る無しで心のハードルが違うし、 適度に使い分けていけば良いんじゃないか。 【息の根が止まるのに百年くらい掛かりそう】 朱:そういえば動物を漬け込むお酒がありますよね~。 月:ハブ、サソリ、スズメバチ、コブラと色々あるぞ。 朱:強そうなのが多いのは征服欲でしょうか~。 黄:生命力を取り込むって思想は考えられるんだよぉ。 月:つまり龍や鳳凰の血族を狙えという、 前振りにしか聞こえんのだが。 【水分が大して奪われてない時点で真面目に考えても】 黄:たしかエタノールの沸点が約七十八度で、 朱雀の体温が七十五度くらいなんだよぉ。 月:謎の合致が。 朱:もしやあっという間に蒸発するんですかね~。 黄:高圧を掛ければ持ちこたえるだろうけど、 そんな工夫をする意義は分からないんだよぉ。 須佐之男が八岐大蛇を倒した時、天叢雲を回収するだけでなく、折角だから龍酒でも作れば良かったのにと思い付きました。しかし当時の酒は醸造酒でしょうし、度数が足りなくて殺菌できないかも知れません。そもそも巨体を沈めるのは無理な気がしてきましたし、やっぱり難しいんですかね。 刺股と呼ばれる器具があります。サスマタと読みます。長めの棒の先が二股に割れているものの総称です。江戸時代、犯罪者を取り押さえる為に開発されました。突棒、袖搦と並んで三道具と称することもあります。刺股は股の間を胴、腕、首に嵌めて捕縛します。突棒は丁字型で、平らな部分を押し付けて行動を制限します。袖搦は先端に針が付いていて、衣服に引っ掛けることで動きを縛ります。いずれもある程度の距離を取りながら、殺さない程度にダメージを抑えての確保が目的です。中でも刺股は使い勝手の良さからか、現代でも防犯器具として生き残りました。警察官のみならず、許可さえ取れば警備員も携行を許されるほどの完成度です。また町火消が民家を破壊する為に使っていたりもしました。もちろん対人用ではなく、大刺股と呼ばれる特大サイズです。破壊槌の様に複数人で抱えて、柱を倒したのだとか。消防署の地図マークが、半円から下に縦棒が伸びたデザインなのは刺股を模しているからです。こうして見ると突棒、袖搦とは差が付いた感じですけど、期待の若手三人衆なんてそんな風になりがちではあります。 (・ω・) むしろ誰も残らなかったとか珍しくない 【極まるとそれで良いって見解もある】 月:蒸留酒とは醸造酒を沸騰後に凝結させたものの総称だ。 度数が高まり糖分を含まないから、 保存性とカロリーカットを期待できるぞ。 朱:上級者向けの印象です~。 黄:エタノール換算だと安いのが多いから、 酔っ払いたいだけの素人用とも言えるんだよぉ。 【森羅万象を個人で把握とか無理だし】 月:ジン、ウイスキー、テキーラ、ウォッカ、焼酎と、 原料は違えど世界中で発展してきた。 朱:呑兵衛だらけです~。 月:一説には、紀元前の錬金術が製法を確立させたらしい。 黄:そういや大昔は無かった気がするんだよぉ。 朱:黄龍さんって歴史の生き字引のようでいて、 色々と曖昧だから微妙に役立ちません~。 【換気が雑だと漏れた分で卒倒しそう】 月:小規模でやる分には単なる還流装置だから、 化学の実験にしか見えん。 朱:警察に踏み込まれても誤魔化せるでしょうか~。 黄:匂いでバレバレなんだよぉ。 月:地下に籠もれば隠蔽できるかも知れんが、 そこまでするものかは判断しかねる。 【認可制が保たれてる理由の一つではあるな】 月:エタノールの沸点は水より低いから、 繰り返せば含有率を九割以上にすることも可能だ。 黄:実際に市販されてるんだよぉ。 朱:もう工業用で良いんじゃないですか~。 月:代替品として飲む猛者も居るが、 にわかが真似しちゃいけないのは言うまでもない。 既視感があったので調べてみたら、4年くらい前に朱雀が工業用エタノールを青龍に飲ませようとしていました。朱雀は酒をほぼ口にしないので、何でも良いだろと思ってる節があります。初期の頃、銘酒・黄龍を誤飲してほろ酔いになってましたが、あれで魅力に目覚めなくて良かったです。 カテキンと呼ばれる化合物があります。ポリフェノールの一種で、細かく区分するとフラボノイド系に属しています。緑茶に多い印象ですが、当然のことながら同原料の烏龍茶や紅茶も含有しています。但し後者は製造工程で酸化してしまうので、化学式は別物です。これらは合体カテキンと呼ばれ、水に溶かすと赤からオレンジ色になります。緑茶と色合いが違うのは、この影響です。カテキンは、様々な生理作用が知られている物質です。有名なところだけでも、抗酸化、抗菌、抗ウィルス、コレステロールの低下、血糖値抑制などがあり、健康面で有用とされています。無論、過剰摂取は副作用を招きかねませんが、緑茶のがぶ飲み程度では心配要りません。むしろカフェインの方を気にすべきと言われています。日本では古くから寿司といえば緑茶ですが、生食のリスクを減らせると経験則で理解していたのです。しかし科学的な裏付けがハッキリしてきたのは、ここ数十年の話だったりします。コーヒーが体調に及ぼす見解は二転三転してますが、緑茶もそういった立ち位置になる可能性は考えられますよね。 (・ω・) トータルでヘルシー飲料なのは間違いなさそうだけど 【単純ゆえに世界一の歴史があるとさえ言われてる】 月:ワインとは、果実を原料にした酒を指す。 ブドウが主流で、他のは別名で呼ばれることもある。 朱:元々甘いから話が早いです~。 黄:実際、大雑把に言えば果汁を寝かせるだけなんだよぉ。 月:なんと最初からブドウに酵母がついてるぞ。 朱:こうも都合が良いと、裏を勘繰ってしまいます~。 【月読が至高だと主張する派閥は聞いたことないけど】 月:もちろん技術の進歩と共に、 選別した培養酵母を使うケースも増えてきた。 朱:安定感が増しそうです~。 黄:でも天然酵母以外を認めない否定派も居るんだよぉ。 月:こういった原理主義者が対立を煽るのは、 何の業界でも変わらんな。 【湯水の如くなんて表現を海外は理解してくれなさそう】 月:一昔前の西洋は安全な水が貴重だったから、 ワインで水分補給することも珍しくなかったらしい。 朱:飲めない方はどうしたら良いんでしょう~。 黄:普通に淘汰されるんだよぉ。 朱:現実は厳しいです~。 月:水道水は口に合わんかも知れんが、 健康に悪影響が無いことの有り難さが身に沁みる。 【下戸の神様は他のにしてくれと思うんだろうか】 黄:キリストがワインを我が血と思え的なことを言ったり、 一部にとって魂の飲み物なんだよぉ。 月:日本も神に捧げる御神酒があるけど、 貰ったところで飲んだくれるだけという。 朱:楽しく酔っ払ってくれるなら本望だと思います~。 黄:これで中々に的を射ていて、 自棄や見栄で飲む酒は、各方面に失礼なんだよぉ。 御神酒は、基本的に純米酒なんだそうです。多分、豊穣の御礼とかそんな感じでしょうし、最も日本的な酒ということかと思われます。今年は不作だったから第3のビールで勘弁なんてのも、ある意味で日本らしいと言ってはいけませんかね。 |
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