2010
何だか、土曜までが暑さのピークでとりあえず一段落するという情報が、どうも嘘臭い雰囲気に。予想最高気温が余り変わらないんですけど。え、直射日光が少なければ、体感温度は大幅に下がるんでしたっけ。それとも、猛暑日にさえならなければ暑くはない、つまりは、そういうことなんですか。
( ・ω・) さぁて、皆さん、暴れる用意は出来たでしょうか?
「しっかし、それはそれとしてあんくらいの組織を持ってれば色んなお宝の情報が入ってくるんだろーね。
そこんとこはちょっとうらやましいかも」
やれやれ。シスの考えは、いつだって自分の欲求に素直というか――。
「ん?」
何かが、引っかかった。
「お宝の、情報?」
ああ見えてスピルはかなりの大商人だ。つまり色々なコネクションで、僕達の及びもつかない程の人脈や情報を一手に引き受ける立場にある訳で。
「ひょっとして、クワットさんの情報網と統合すれば、僕達が欲するものが手に入るかも知れない?」
となると、あながち完全に無関係とは言い切れない気もする。クワットさんへの借りを利で返すという意味でも、義が無い訳じゃない。
一方で、クワットさんにそれだけのものを与えていいものかという懸念も頭をよぎる。基本的に悪人では無いし、大物ではあるんだけど、所詮は人間だ。力を手にして欲に溺れ、スピル以上に人達に害を為す可能性が無いとは言えない。
「とは言え……」
目下の優先事項は、バラモスの排除と、それに繋がる情報の獲得だ。スピルのやろうとしていることを放置するのは、どちらにとっても良い影響は無いだろう。
「結局、僕達が汗を掻かなきゃならなさそうだね」
何処か達観した視点で物を見ていたけど、見返りがあるというならやる気も湧いてくる。人間って奴は、何処までも単純なものだと思う。
「ま、何にしても――」
「ぐお?」
「ん?」
「ナニするですかー」
何の根拠も無く居座るおとぼけ三人組を廊下に追い出し、気分的にスッキリする僕なのであった。