センセーショナル・エレクション、意外な豆知識。茜は勘で生きてるようですが、かなりの部分を理に頼っており、逆に岬は、理屈っぽい様で、最後の決断は感性に頼るタイプです。人間、一見しただけじゃ分からないものですね。朱雀も、当人は理性的だと思っている様ですし。
( ・ω・) 私のキャラの真似が難しいのは、この根幹のせいじゃないかとも思う
【知事って結局なにするの】
岬:知事選というのは、日本で行われる最大規模の直接選挙です。
都道府県単位での長を、個人名で投票する訳ですからね。
その中で最も盛り上がるのが、人口で見れば1200万以上、
有権者も1000万を超える東京都知事選で、
一人を選ぶものとしては、間違いなく日本最大の選挙です。
公:えーと……全校生徒が1800人位の俺らの学園から見ると――。
岬:ざっと、5、6000倍といったところでしょうか。
公:ここまででかいと、今一つピンと来ないな。
岬:最大であるがゆえ、泡沫候補、
ぶっちゃけて表現すれば冷やかしや売名をする方が多いのも事実です。
傍で見てる分には、楽しいとも言えますけどね。
公:チラチラこっちを見ながら言うのはやめて貰おうか。
岬:しかし、これだけ大仰な選挙を勝ち抜いた知事です。
都道府県毎に差はあるものの、与えられる権限は相当なものになります。
先ずは予算案の提出権と執行権です。
究極的に言えば、都道府県予算は、知事の一手に担われていると言っても、
それ程に間違っているとも言い切れないでしょう。
日本の中央都市、東京都ともなりますと、その年間予算は六兆円以上、
札束で作ったプールに入ることも、不可能では無いかも知れません。
公:喩えは実にバブルチックだが、何となく凄さだけは把握した。
岬:他にも、議会が決めた条例を拒否する権限があります。
言い方を変えれば、議会が決めたとしても、
最後に通すか否かを決める権利は、法的に知事が持っているということです。
総理大臣とは、決定的に違いますね。
公:何か俺、総理より知事になりたくなってきた。
岬:後は、地方税を課す権利を持っていたりもします。
都道府県議会と総務省の同意が必要ですが、地域内での財源として、
特定の企業や個人から税金を取ることが出来ます。
石原都知事が課したホテル税なんかが一例ですね。
公共事業も知事の認可が必要ですので、田中元長野県知事の様に、
ダム建造をストップさせることも可能です。
更には、県庁の人事権を握っているので、気に食わない職員はガンガン、
左遷させて黙らせることも、理論上は可能でしょう。
公:都道府県内だけなら……独裁者!
岬:唯、総理とは違い、余りに悪政をやらかすと、住民の直接請求に依って、
リコールされる恐れもあります。
具体的には、有権者の三分の一の署名を集めると請求出来ますので、
首長や議会の暴政に苦しんでる方は調べてみると良いでしょう。
公:やっぱり、民主主義は民主主義なんですね。
岬:無条件で権力が与えられる程、今の世界は甘くないってことですよ。
今項目の纏め:直接選挙で選ばれる知事の権限は、その都道府県内に限れば、かなりのレベルで認められている。但し、総理とは違い、住民に依る直接のリコールもあるので、暴走も程々に。
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