何となく、この講座の文字数をチェックしてみました。早々に五万文字を突破してました。岬なんか、この一月で本編より喋ってるんじゃなかろうか。
( ・ω・) マシンガンガールと呼ばれていたのは、この伏線だったんだよ!
【切っても切れぬよ、外交と軍事力】
岬:人類の歴史は、戦争の歴史でもありました。
公:また、いきなり壮大だな。
岬:歴史的に始まりを推察すると、部族間同士の生存権を賭けた争いと、
山賊などから身を守る為の自衛的な争いの二つに大分されるのでしょう。
後に宗教的理由が持ち出されてややこしさを増し、
現代に至るまで無くなる気配のけの字すらありません。
公:でっかすぎて、実にコメントしづらい。
岬:強靭な牙や爪、身体能力を持たない人類にとって、
自然界で生き延びる為に、武器と知恵は必要不可欠なものです。
公:そこは流石に否定しようが無い。
熊被害で悩む農村に、猟銃禁止とか言い出す奴は居ないだろう。
岬:一方で、その武器を含めた力を以って、
交渉事を有利に進めようとする層も出始めます。
不思議と言えば不思議なことなのですが、これが個人だと脅迫になり、
ある程度以下の組織だとテロリズム扱いで、只の犯罪です。
ですが国家となると、外交の一端として処理されるのが、
世界の不思議なところです。
公:やんわりとした皮肉は受け流すとして。
岬:軍事力を背景とした圧力は、有史以来、
無くなったことは無いと言って良いでしょう。
国力の高い国が低い国に貢物を持ってこさせるのは常識でしたし、
現在も核保有国が絶対の発言力を持っているのは御存知の通りです。
公:歴史的に見て、世界一の大国は、世界一の軍事国家だしな。
岬:この世から戦争が無くならない最大の要因は、やはり人間の欲でしょう。
人より美味しい物を食べたい、素敵な人と付き合いたいといった、
生物として根源的なものに始まり、もっと地位を得たい、人よりお金を稼ぎたい、
自分の存在を誇示したいという社会的なものにも展開します。
こういった欲望を満たす為には、国家レベルで裕福にならないといけません。
外交というのは、究極的に言えば国益を優先させるということですから、
突き詰めていった結果、他国をある程度、傷付けて奪うのも止むを得ない、
という結果として噴出することもある訳です。
公:『ある程度』ってのが、妙に生々しいな。
岬:つまり戦争を無くす為には、全員が現状に満足し、
心穏やかに暮らせば良いんですが、これは半ば宗教の領域に突入し、
これも戦争の大義名分に使われたりもします。
又、これらの欲望を全て抑えると、経済、社会、科学は一切発展せず、
人類の文明そのものを否定する状態と言えなくも無いかも知れません。
公:つまり……どうしろと?
岬:正直、私には分かりません。
公:ここまで引っ張ってそんな結論かよ!?
岬:人類が集団で暮らすようになって以来、軍備と戦争がなくならず、
今日まであり続けているのは、それだけ文明や国家と密接に絡みあっているからです。
単に、『こちらが攻撃しなければ相手も攻撃してこない』や、
『相手を黙らせるには強大な力を持つしかない』といった二元論ではなく、
その本質について、もっと学ぶべきなんでしょうね。
今項目の纏め:歴史的に見て、軍備は間違いなく外交の一端。その本質は人類と文明と複雑に絡み過ぎていて、端的に結論が出せるものではない。
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