2010
パチンコ好きが一度は言うと言われている、『トータルでは勝っている』という言葉。まあ、大半は虚勢なんでしょうけど、一部に本気で言っている人も居るとか居ないとか。実際、どうなんでしょうね。多分、統計学的というか、確率で考えると、こう、綺麗なピラミッド構造で、本当に勝ってる人は数%か、1%居ないかくらいになると思うのですが。だって、設備維持費や、給料が出てる時点で、トータルでは勝てないように設定されてるに決まってるじゃないですか。
( ・ω・) 競馬の控除率は25%。公表してる分、まだマシかも知れない
「アクアさんが使うベホイミは、僕のものとは根本的に違ってて、魔力そのものを治癒力に転化したり、場合に依っては、空間に溜まっている魔力の素みたいなものまで利用して回復させてるんだ。だから練度次第では、どう考えても助かりそうもない怪我人でも治せることがある」
幸いにして、僕の周囲で、その処置が必要になった人は居ないけどね。
「んじゃ、ザオラルやザオリクって、その発展形ってこと?」
「んー」
その質問に、僕は意識せずアクアさんを一瞥してしまう。
「アクアさんが居るのにこんなこと言うのはあれなんだけどさ。僕みたいに魔法使いの勉強した人の常識としては、そんな呪文は存在しないってことになってるんだ」
「はい?」
うん、シスって、頭そのものは良いし、事の本質を見極めるのは得意だけど、この手の情報には疎い分、良い反応してくれるよね。
「いやいやいや。ザオラル、ザオリクって言ったら、僧侶とか神父の代名詞だってのは、子供でも知ってることじゃん」
「じゃあ、シス。義賊のお爺さんが死んだ時、生き返らせて貰おうとか思わなかったの?」
身内が旅立った時、大抵の人は一度は通る道だと思う。
「ん? いやー、それは考えたこと無かったけど、寿命死は流石に無理なんじゃないの」
「仮に町の神父さんに持ち込んだとしても、多分、天寿だから無理って言われただろうね。
他にも、『損耗が余りに酷過ぎる』だとか、『信心が足りない』とか、ありとあらゆることを言って断ってくるから」
「言われてみれば、割と命懸けの仕事のはずなのに、知り合いに生き返ったみたいな話してる人、居ないかも」
そこまで行ってるなら、少しは怪しもうよ。