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 最近の社会情勢を、幕末に喩える政治家が多数居ます。たしかに、現代は動きが見えづらいですが変革期でありましょうし、全く違う世界が開けそうな感じではあります。ですが、百年単位の後、現代が歴史家や創作家達に事細かに語られる様になるなと言われると――無いなぁとは思います。対立の構図が国内的にも国際的にも果てしなく分かりづらいですし、英雄が現れる雰囲気も無いですし。逆に、英雄が出てこないんだから、大した変革期でも無いんじゃないかという発想もある訳で。

( ・ω・) 英雄が歴史を作るのか、歴史が英雄を作るのかは、奥深いテーマですよね

「そういやシス。昔、暴れ猿を屈服させたことあったじゃない」
 アリアハンの山賊を成敗した時のことを懐かしく思いながら、話を振ってみた。
「んー。猿って結構、知性高いからうまくいったけど、こんくらいになるとどうかなぁ。
 まー、やってはみるけどね」
 言ってシスは鞭を手に取ると、ビシィと地面に叩きつけた。
 一瞬、巨大モグラが身を震わせたから、生きてることは確認できたけど、それ以上の動きは見せなかった。とてもじゃないけど、調服出来たとは思えない。
「お粗末様でした」
「あ、どうも」
 何でちょっとうやうやしく遣り取りしたのかは分からない。
「シスの調教能力は、そこそこ頭が良い生き物専門、と」
 その内、どの程度の動物までなら可能か、一つ一つ試してみそうな自分が怖い。
「私が、やってみようか?」
 ここで話に入ってきたのは、なんとジュリだった。
「やってみるって、使役を?」
「多分、要領は一緒だから」
 要領?
「ん――」
 言って、ジュリは右手を差し出すと、巨大モグラの鼻先に――って、危ないよ。幾ら動きが鈍いって言っても、牙もとんでもなく大きいんだから。
「お?」
 次に声を漏らしたのは、シスだった。
 あれ、何だかモグラが、ゆっくりと這ってる様な……。
「やっぱり、心が単純だと、うまくいく」
 そう口にして、ジュリは距離を保ったまま後ずさった。正直、僕には何が起こってるのか良く分からない。
「あ……」
 途端、ジュリが尻餅をついた。
「だ、大丈夫?」
「ぼへー」
 あれ、何だか又、目の焦点が合ってないって言うか、元のジュリに戻っちゃった感じなんですけど。

 

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