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 古来、中国の特産品の一つに絹がありました。英語ではシルク、蚕が吐き出す糸を紡いで作られる繊維です。蛾のサナギを茹で殺して、糸だけ掻っ攫うとか、中々に凄いことだと思うのですよ。生物工学がこれだけ進んだ現代なら、糸を延々と吐き出して成体には決してならない蚕とか作れそうな気もしてきました。こっちの方がエゲツナイですか、そうですか。
 さてこの絹、かつてはシルクロードと称されるほど、ヨーロッパなどで珍重されたものでした。大昔は中国近辺しか作り方を知らず、各地の上流階級が大枚をはたいてでも手に入れたがりました。あのスベッスベの感触には、得も言われぬ魔力があるのでしょう。冷静になれ、それ、虫が吐き出したもんだぞと言ってしまうと、現代の虫がダメな子達はどう思うのでしょうか。何とも言えません。
 時代は下り、養蚕方法が世界中にバレてしまって、中国が持つ特権は失われました。同時に、蚕自体も完全に野生への執着をなくし、家畜として生きる道を選んだそうです。現代の蚕はどう足掻いても自然界で生きていけないらしく、人類が滅亡するとまではいかなくても、同レベルの化学繊維を作れる技術を得てしまった時点で相当に危機的な状況なんだとか。大半が茹で殺される運命にありながらも、種としては存続させてもらえて、しかも三食昼寝付きなら、生き物も平然と堕落するという好例なのかも知れません。教師とすべきか、反面教師とすべきかは、皆様方の人生観に委ねることに致しましょうか。

(・ω・) その点、家猫ってあれだけ飼い慣らされても、生まれながらのハンターだよな!

【深夜のテンションで観るなら面白そう】
月:今日は、恐ろしくも悲しい桃三郎の話をしようと思う。
朱:桃太郎さんは有名ですけどね~。
月:そもそも、人の世で争いが尽きるはずがない。
  第二次鬼ヶ島戦役で生き残った鬼達は桃太郎への復讐を誓い、
 鬼ヶ島改で雌伏の時を過ごした。
黄:この、三流映画並のしょうもない設定に、
 ちょっとワクワクしてる自分が嫌なんだよぉ。


【岡山県民に怒られるぞ】
月:不可解に思ったことは無いだろうか。
  桃太郎が入っていた桃が一つ限りだったことに。
黄:そう言われても困るんだよぉ。
月:ここで言う桃とは、かつて鬼を虐殺した伝説の戦士を、
 クローン技術で培養したガラス管を暗喩したものだとすれば、辻褄は合う。
黄:早くもツッコむの疲れてきたし、とりあえず最後まで喋らせようと思うんだよぉ。


【一人での戦闘には限界があるからな】
月:第二次鬼ヶ島戦役から十数年後、鬼は逆襲の狼煙を上げた。
  桃太郎は鬼ヶ島で受けた怪我が悪化していて、戦士としてはゴミ同然だった。
朱:戦いは、傷跡しか残さないんですね~。
黄:別に、うまいこと言えてる訳でもないんだよぉ。
月:クローン二号たる桃次郎に期待が掛けられたが、すぐさま消息を絶った。
  彼には、動物を手懐けるだけのコミュニケーション能力が無かったのだ。
黄:さて、ここからどうやって桃三郎で話を転がすのか、
 ダメな方の意味で先が気になってきたんだよぉ。


【桃三郎まで到達してないじゃないか】
月:ここからの物語は、君達が描いて欲しい。
黄:最低の投げっ放しが来たんだよぉ。
朱:作家としては、敗北宣言と同じですよね~。
月:だが貴様ら忘れるなよ。
  物語なんぞ、こうやって作品背景を煽ってる間が一番面白いのだ。
黄:何で逆ギレされたのかは分からないけど、
 そういう面もある辺り、業の深い話だと思うんだよぉ。

 この桃三郎ネタは、セネレで使おうかとも思ったのですが、単発でどこでも使えそうなので、数合わせでこっちに回ってきました。この業界ではよくあることです。
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