2010
私の感覚として、日本人の名前は、漢字四つに、七音というのが基本というものがあります。まあ、小学校の頃、名簿を見て、そういう奴が多いなぁと思っただけで、実際はそうじゃない人も多いんですけど。
唯、どうもこの感覚というか、軽い偏見が意識の奥底に刷り込まれてるのか、キャラクターに名前をつける時、七音か五音の人がメチャクチャ多くなる傾向があるようです。七五調は基本だよね。
セネレで検証してみると、しいなりい、まいはまちおり、さくらいあかね、さくらいみさき、あさみゆな、いちりゅうあやめ、にしのみやれい、にしのみやゆい、にしのみやまい、にしのみやかい。ほうら、この驚異の比率。
( ・ω・) 何で公康だけ、『ななはらきみやす』で八音やねん!
「そのヒヒイロカネだ。こう、魔力を受けて全身に伝播する核の様なものにどうしても必要でね。経年で摩耗する為に、どうしてもある程度で交換しないといけないんだ」
成程、ね。たしか、相当の高級金属らしいから、買い溜めも難しいだろうし、こんなことになると想定もしてなかったと。
「でも、こういうところって、鉱山の持ち主が採掘権を握ってるから、現場に来てもしょうがないんじゃ?」
この自分でも驚くくらいのんびりと疑問を呈する辺りが、僕らしいよね。
「最高級の純度を誇るものや、巨大なものであれば、そうだろう。だが、それなりの程度で良ければ、現場の判断で何とかなることも多い」
何か、引っ掛かるところがあった。
「それって、袖の下で回して貰うってことですか?」
「はっきりと、贈賄と言って構わない」
年端も行かない娘の前で、この人は何を言ってるんだろうか。
「ぞう……わい?」
はい、ジュリ。これは大人の話だからね。あと何年かしたらじっくり学んでもいいけど、今はとりあえず目を背けておいて良いよ。
「贈賄ってのはね。特定の権限を持ってる人相手に現金なり、価値のあるものを渡して、その権限からお零れを貰うことかな」
「ふーん」
そして何でシスが懇切丁寧に教えてるのさ。もしかして、悪の道ってか、そっちの世界に引き込もうとしてない? やだよ、面倒見る人がこれ以上、増えるのは。
「ハハハ、なーに。俺としては粗悪品とまではいかなくても、ヒヒイロカネであれば多少、質が悪かろうと問題は無くてね。その程度の便宜を図って貰うことは、そんなに悪いことではないさ」