2010
今年は民主党、自民党にとって正念場たる、参議院選挙が七月に控えています。民主党っていうか、小沢幹事長は単独過半数を目指していますが、元々、308議席を持っていても、過半数の票を得た訳じゃないですからねぇ。与党になって、支持基盤は増えたかも知れませんけど、失う浮動票がそれを上回るのは、もう確実な情勢でしょう。何処までその減り幅を抑えて、自民党の上を行けるか。ってか、子ども手当なんて餌で、実際、何処まで票が増えるかなんて分かったものじゃないでしょうに。他に支持率が上がる要素ありましたっけ。
( ・ω・) それでもアンチ自民が多いので、まだまだ情勢は超不安定ではありますな
「ところで、人探しって、具体的にどんな人を探してるの?
あ、もちろん、言いたくないなら良いけど」
一応、これでも世界をそこそこ回ってるから、知ってる情報があるなら提供するのは問題無いし。
「どうということはない。私達が探しているのは、一人の魔法使い」
「魔法使い?」
余りに対象が広すぎて、ピンと来なかったんだけど――。
「名をクレインという」
「……」
け、ケホッ。
余りに驚きすぎて、むせかえしちゃったよ。
「その反応、有罪と見た。知ってることを、洗いざらい吐きたまえ」
どうして僕はこう、対人間だと交渉力がからっきしなのかなぁ。
「い、いや、知ってるって言っても、シャンパーニの塔とアッサラームの町で会ったことがあるだけだよ」
厳密には、ポルトガでも一瞬だけ一緒だったんだけど、話がややこしくなりそうだから伏せておこう。
「って言うか、クレインに何の用?」
世界中を股にかけて探すとか、ちょっと尋常じゃない理由があると考えるのが普通だ。
「彼は、私達の師父の仇敵」
「……は?」
思わず、ヘンテコな声が漏れちゃったよ。
「きゅーてきって何?」
「カタキとかアダって言い方もするけど、要するにクレインがこの二人のお師匠さんに害を与えて、恨まれてるってことかな」
「あー、まあ、あの男なら分かる気もするけど」
全面的にシスに同意しそうになったけど、とりあえずは飲み込んでおいて――。
「冗談、じゃないよね?」
シルビーさんの性格からして、一応の確認はとっておく。
「私達の師父は、現在、あの男の為に獄に繋がれている」
「ビクッ」
「どしたの、シス」
「いやー、職業柄、獄とか繋ぐって言葉には、どうしても警戒しちゃうっていうか」
何でこう、この子のエピソードは、心温まるものが無いのかなぁ。