マリアナ海溝と呼ばれる割れ目があります。太平洋西部、マリアナ諸島の東側に存在する、海としては世界一深い場所です。千葉県犬吠埼から二千七百キロ南下したくらいの位置になります。深度は10920m程です。その底を、英国の測量船チャレンジャー号にちなんでチャレンジャー海淵と呼ぶこともあります。ここは人類未踏の地です。大気圧の千倍を超える負荷に加えて太陽光もほぼ届かないという、地上人から見たら地獄のような環境であることが理由となります。加えて、個人の技術や体力で補える高山と違って、国費クラスの予算が無いとどうにもならないのも大きいでしょう。更に言うなら、景色が雄大な山頂と比べて、暗くてどうなってるんだか分かりづらいので、関係者の説得が難しいのも一因と推測されます。文字通り命を賭けないと辿り着けないのですが、それだけで精一杯となり、研究する余力が残らないというのもありそうです。物語やドキュメンタリーで登山ものは一大ジャンルと言っていいですが海底探査はニッチな訳で、構成的に盛り上げるのが難しいんだろうなと思わされますね。 (・ω・) ぶっちゃけ暗闇の中をひたすら沈むだけだからな 【見え透いてても外面は整えないと】 マ:ほいで、当然っちゃ当然やけど、議会は紛糾したんや。 黄:勝算なしに始めるもんじゃないんだよぉ。 月:伝え聞くところに依ると、余計な仕事を増やすな派と、 嫌な上役から独立したい派の二大勢力だったらしい。 朱:どちらも自分のことしか考えてません~。 マ:大義名分なんて小綺麗なもんが、 本音を隠す為に使われるんは何処でも一緒やで。 【頭が冷えた頃には戻れない位置に居たりする】 マ:この二つだけなら、平行線か妥協案で済んだんやろけど、 ブチギレて『一つに纏めたるわ』って言い出したんがおるねん。 朱:極端から極端に走ります~。 黄:そっちの方が大変とかは考えないんだよぉ。 月:権力者の気紛れに翻弄されるのは、 ガキ大将の時分から変わらない社会の必然だ。 【互いを成長させてるという観点では理想的関係だ】 マ:ま、ウチらの総大将ルシフェルの話なんやけどな。 黄:半分くらい当事者だったんだよぉ。 朱:どうして止めなかったんですか~。 マ:戦闘能力的に難しいんもあるけど、 どないなるか見てみたかってん。 黄:厄介なことになると分かってて好奇心に負けるのは、 人間の悪癖が影響してる気がしてならないんだよぉ。 【あからさまな欺瞞でも心の支えには充分である】 マ:ゆうて、システムは一本化した方が効率的やんか。 黄:その部分は間違っちゃいないんだよぉ。 朱:国家も、大きい方が安定します~。 月:バラバラなのを合併させるのは大変で、 維持するのはそれ以上の労力が要るってだけだ。 マ:理解しとるのに言い訳を探すんも、人がようやるやつや。 黄龍ちゃん世界は七大悪魔なので、ルシフェルとサタンは別枠説を採用しています。大罪は七つなのにルシフェル=サタンだと、収まりが悪くなりますし。正体が謎に包まれていて、実は兼任していたなんて設定も考えられますが、この作品では使われないでしょうね。 PR 霹靂という自然現象があります。ヘキレキ、又はカミトケなどと読みます。雷鳴を意味しています。現代日本語では青天の霹靂、或いは晴天の霹靂以外で使うケースは稀と言っていいでしょう。文字通り晴れているのに急に雷音が轟くことです。想定していなかった事態が起こって度肝を抜かれる例えとして用います。霹という字には雷や鳴り響くという語意があります。一方の靂はというと、まあまあ謎です。ちょっと調べた範囲では、霹靂の他に使い道が見付かりませんでした。霹靂神と書いてハタタガミと読んだりもするそうですけど、意味合いは激しい稲光くらいなので変化形の一つに過ぎません。ちなみに夏の季語です。霹靂そのものに関しては、漢字を認識できる状況下で、シチュエーションも整っていればカッコイイ雰囲気がある単語とも言えます。但し、音だけの場合は辟易(ヘキエキ)と混同してしまいかねないので、使い所が難しい面があるのでは無いでしょうか。 (・ω・) そもそも画数が多くて、めっちゃ見づらいのがネックだ 【独立性の確保という名の日和見を活用】 朱:そういえば月読さんって、 黄泉の国の管理人じゃなかったでしたっけ~。 黄:会合はどうだったんだよぉ。 月:サボったに決まってんだろ。 朱:堂々と言うことですかね~。 黄:無理に出席させても隅でオドオドしてるだけだし、 面倒事にしかならないだろうから正解かもなんだよぉ。 【閻魔大王は風格あってこそである】 月:大体、日本神話のあの世は善悪関係なく一箇所だけだ。 朱:言われてみると、裁判官的な方が居ません~。 黄:道徳心が高いから必要ないのか、 やる気が無いだけなのか微妙なところなんだよぉ。 朱:月読さんに判断されても納得しかねますし、 これで良いんでしょう~。 【近頃は円満退職だったと錯覚してるくらいだ】 朱:ヘルさんは何かありましたか~。 ヘ:先代か先々代の頃の話だから知らん。 黄:引き継ぎはどうなってるんだよぉ。 ヘ:ぶん殴って追い出した相手が教えてくれるものか。 朱:生きてはいるんですね~。 黄:親近感を覚えるけど、辞めた後も協力してる自分は、 何なんだろうという気になってきたんだよぉ。 【権力が剥ぎ取られたら人格勝負になるわな】 朱:ところで、先代のヘルさんがお亡くなりになってた場合、 魂はどう処理されるんでしょう~。 黄:またしても謎が増えたんだよぉ。 マ:元上司を断罪するとか、それまでの行いが試されるで。 黄:慕われていたらゆるっゆるだろうけど、 嫌われてたなら嬉々として血祭りにされるんだよぉ。 北欧神話やギリシャ神話の地獄は、権力闘争に敗れた連中を追いやる島流し的な部分があると考えています。基本的に太陽を浴びられませんし、亡者は選定外の連中ばかりですから、ひでー土地であることが伺えます。地球上の具体的な僻地を暗喩しているとしたら、一気に生々しい感じが出ますね。 アビスという言葉があります。英語では、abyssと表記されます。和訳すると、深淵、地獄、奈落などとなり、ひたすらに深くて暗い場所を意味する単語です。語源は、ギリシャ語のabyssosとされています。byssoは最深部で、aはそれを否定する接頭語となり、底よりも更に下といった感じです。打ち消しているだけで、上下どちらとも言っていないのにそう解釈する辺り、深度の強調っぷりが伺えます。カタカナ語であれば僅か3音、語感が悪くなく、更には日常での使用頻度が絶妙に低いこともあって、一部の方の琴線に触れるところがあります。『アビスに堕ちろ』や『魔王アビス』の様に、何となくで使っても雰囲気を醸し出せる優秀っぷりです。前者はともかく、後者は固有名詞としてどうなんだ感がありますけど。となると称号としてアビスキングくらいになるんでしょうか。これだと少し冗長で、折角の短さを活かせてないという気もしますけどね。 (・ω・) この手の命名は、無限回廊みたいなもんだ 【どうあれ解釈違いで決裂するのが基本のようだ】 マ:ことの始まりは、宗派なんや。 朱:キリスト教や仏教を大分類とするなら、 その下に属する区分でしたっけ~。 黄:多すぎて、良く分かんないやつなんだよぉ。 マ:人間の勝手な主導権争いで分裂してく様子は、 悪魔的におもろいとこではある。 【囚人の人権は何処まで認められるべきかに通じるかも】 マ:それに合わせて地獄の方も小分けすべきかいう議論が、 大々的に繰り広げられたねん。 朱:この世でのルールも結構な違いがありますよね~。 黄:罰の与え方も変わるって理屈は合ってるんだろうけど、 悪人に対してそこまで手間を掛けるのもどうなんだよぉ。 【正当な対価を払おうとはしないんだけど】 マ:ウチも幹部として会議に参加したんや。 朱:ちょっと見てみたいですね~。 黄:オンラインで配信して欲しかったんだよぉ。 マ:こっちに何の得があんねん。 黄:情報公開を盾にした野次馬根性で、 下世話な覗き見をしたがる性根は業界を問わないんだよぉ。 【王朝としては長続きしないのばかりだ】 朱:各国のマフィアさんが集合するみたいな感じですけど、 話し合いになるんでしょうか~。 マ:ああいうんは、上の方は理性的なんやで。 黄:というか、組織全体で暴走してたら、 あっという間に消えてなくなるが正確に近いんだよぉ。 マ:そないな愚連隊が、たまに天下取ったりもするけどな。 こういった時代なので政府はガンガン情報を開示して欲しいようでいて、全体の損に成り得る機密は非公開にすべきとも考えます。そこら辺の兼ね合いが分かってるから悪用する偉い人も居る訳で、落とし所が良く分からないままです。 退屈という言葉があります。タイクツと読みます。暇はあるものの熱中できることがなく、感情の起伏に乏しい状態のことです。人に対して使う時は、面白みに欠けるという辛辣な評価となります。日常でも使用頻度がそれなりな単語かと思われます。しかし漢字を分解してみると退くと屈するで、何処となく軍事用語感が漂っていたりと謎に満ちた部分があります。源流は、仏教にあるというのが定説です。修行のしんどさに耐えかねて心が折れてしまい、距離を置いてしまうというのが始まりです。ここから何を成す訳でもなく達成感を得られないという解釈で、現行の用法へと繋がりました。見方に依っては、悟りを開く以上に価値があることなんて無いという傲慢な考えに基づいているような気もします。何かに挫折したなら、次を見付ければいいだけのはずですが、それほどの虚無感に包まれてるってことでしょうか。そもそも堕落した坊主なんてのは時代や地域を問わず転がっていますし、やっぱり自画自賛の類であるのは否定できません。 (・ω・) 仏教ってそういうもんだろと言われれば、まあそうなんだけど 【国家だって英雄が出るまで混沌とするし】 マ:今日は地獄を統一しようと無数の勢力が争って、 えらいことになった思い出を語ろう思うねん。 朱:まさに地獄絵図ですね~。 黄:何事も、纏めるのは凄いエネルギーが要るんだよぉ。 マ:格闘技の団体が増殖してくんを見ても、 ちょっとした違いで揉めるんが常やで。 【時代と地域で社会通念の差がデカすぎるんだもの】 マ:知っての通り、地獄いうんは各宗教の縄張り制でな。 何処に行くかは色んな条件で決まるんや。 朱:そこのルールが未だに分かってません~。 黄:どの程度の悪さで送られるかも曖昧なんだよぉ。 マ:現世でビビらせる為に作ったもんの具現化やし、 ぶっちゃけ気分次第なとこは否定せーへん。 【すし詰め状態を前提に作られてるんだろうしな】 朱:そもそも、地獄は亡者さんを欲してるんですか~。 マ:あんまし増えるとワチャワチャして大変やけど、 数は力やし、おらんと始まらんのや。 黄:ガラガラな地獄ってのも、謎の場所なんだよぉ。 朱:悪い人が少ないのは良いことですけど、 何故か物足りなく感じてしまいます~。 【狩りが嫌いな肉食獣も理論上は存在し得る】 マ:獄卒かて生活がある訳やし、仕事は与えなならんやん。 朱:別の職に就かせようって発想になりませんかね~。 黄:虐げてばかりの鬼や悪魔に、何が出来るんだよぉ。 朱:潰しがききません~。 マ:その為に生まれた連中やし。 黄:そう言われると天職な感じも出てくるけど、 嫌でしょうがないのが居たら苦労しそうなんだよぉ。 人間は集団でないと生きていけないのに、個を認めて欲しい承認欲求を持っている、難解な生物と言えます。母数が大きいだけで強いというのを理解しながら派閥争いで分裂していくのは、この厄介さが原因なんでしょうね。 ニスと呼ばれる塗料があります。ワニスの省略形です。和訳は仮漆で、カシツと読みます。英語表記ではvarnishとなり、ヴァーニッシュくらいの発音になるようです。大本の単語に寄せたのか、或いは単に長かったせいかは曖昧ですが、3音に簡略化されました。更に日本で古くから使っていた漆を和ニス、舶来品を洋ニスと区分した経緯もあり、紛らわしいということで2音になったとされています。そしてニスとは、樹脂を溶剤に混ぜたものの総称です。建材に塗り、表面に皮膜を形成して保護することが主な用途となります。光沢があるので、見栄えも良くなります。絶縁目的で用いることもあり、利用法は多岐に渡ります。東洋で良く使われていた漆も、原理的には同じです。逸話として有名なのは、バイオリンの名器ストラディバリウスです。最高の音を奏でられる秘密は、ニスにあると信じられていました。ただ、最新の研究では否定気味のようです。薄々は勘付いていたけど、科学的な裏付けが追い付いたというのが正確に近いかも知れません。じゃあ何で高品質なのという疑問については、今なお議論中らしいのがとんでもない話だと思います。 (・ω・) ここまでブランド化すると、否定できないのは幾らかあるよね 【もちろん通用しない相手も少なくないんだけど】 黒:まさかとは思うが、在庫処分に加担してないだろうな。 黄:引き籠もってくれれば相手しなくて済むから、 こっちとしても渡りに船なんだよぉ。 朱:再転居は黄龍さん的に良くないんですね~。 黒:本心であろうことが腹立たしい。 黄:中途半端な建前で上っ面だけ整えるくらいなら、 いっそ自分の為を強調した方が説得力を持つんだよぉ。 【言葉が通じてるだけで奇跡と言える】 黄:リストはあるから、後は自分達で調べるんだよぉ。 黒:この、タブレットというやつはどう使えば良いのだ。 朱:そういえば、五千年くらい眠ってた方でした~。 黄:いい加減、現代に慣れるんだよぉ。 朱:牢獄暮らしが長くてもせいぜい数十年ですし、 この規模の時代ギャップは貴重な資料になりえます~。 【触ってみて試行錯誤すらしようとしない】 赤:けかか。 黄:赤龍が小器用で助かったんだよぉ。 朱:どんな方でも取り扱えるのが普及した理由ですし~。 黄:じゃあ目覚めて十年は経つのに、 適応できてない黒龍はなんなんだよぉ。 朱:こういった新技術に対応できないのは、 怠慢精神が原因らしいですよ~。 【やっぱり青龍は特別手当を払うべきな気がしてきた】 黄:何にしても、お家探しは大変なんだよぉ。 朱:黄龍さんが居を構えた時も何かあったんですか~。 黄:この場所は地脈の割れ目みたいなもんで、 下手に刺激すると異界から魑魅魍魎が吹き出すんだよぉ。 朱:さらっととんでもないこと言ってませんか~。 黄:それを押さえ付ける蓋みたいな役割もあったと、 めっちゃ久し振りに思い出したんだよぉ。 最後になって聞いたことない設定が飛び出してきましたけど、深掘りされる日はやってくるのでしょうか。龍族の時間感覚は私達と違いすぎるので、気が向くまで何年掛かるやらといったところです。 |
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