2016
ハーレムものと、逆ハーレムという作品のジャンルがあります。ハーレムとは、元々はイスラム圏に於いて女性が住む居室のことを指すのだそうです。イスラム圏は一夫多妻を認める地域が多いので、転じて、一人の男性が複数の女性を侍らかすことを俗にそう呼ぶようになった様です。女性が女性を侍らかして呼ぶパターンもありますが。ちなみに日本語では奥がそれに相当します。大奥は江戸幕府の将軍家だけに使われる限定的な言葉です。
逆ハーレムはそれが反転して、一人の女性が複数の男性を侍らかす状態のことを指します。いわゆるギャルゲーの女性向けバージョン、乙女ゲーと呼ばれる作品に多く見られる設定です。昔から疑問なのは、ギャルも乙女も女の子のことなのに、何で真逆のジャンルのことを示すんでしょうか。まあ、ギャルも昔は若い女性くらいの意味だったのに、今ではイケイケの遊んでる女性のことになってるんですから、言葉なんてそんなものなのかも知れませんというのは余談として。
少し思ったのですが、ハーレムものの主人公は割と画一的です。前髪が目に掛かる程度の中途半端な長さの黒から青髪、或いは茶髪で、感情の起伏が少なそうな整った顔立ち、体型は細めながらも筋肉質と、誰を連想するかは皆さんにお任せしますが、大体こんなものでしょう。一方で、逆ハーレムの主人公は随分と幅が広いように思えます。ハーレムもの主人公でスパロボ的なお祭り作品を作ったら誰が誰だか分からなくなりそうですが、逆ハーレムはそれを集めてハーレムものに出来るんじゃないかってくらいバリエーションがある感じです。ここから考えられることは、ハーレムものと逆ハーレムは、男女それぞれの需要を満たしている作品群ではあるものの、それなりのアレンジを加えているということです。男性は没個性の方が感情移入しやすく、女性は具体的な性格付けがなされていた方がいいのでしょう。前に黄龍ちゃんで、男の子向けのヒーローは仮面やらで素顔を隠すけど、女の子向けは綺羅びやかに着飾ると書いたことがありますが、それに通じるものがありそうですよね。
(・ω・) ハーレムハーレム書いてたら、ハーレムがゲシュたってきた!
【理想的じゃないかと思ったらもう末期】
彩:んーと、こっちの家臣にこれだけの石高を与えると不公平感が増すから――。
麗:流石は数学の先生ですね。数字に強いというのは、この時代では相当の強みです。
彩:一応、私、姫って話じゃなかったかな。
何でこんな、国の方向性を左右するくらい重要な仕事をやらされてるの?
茜:希望するなら、天守閣の一室に閉じ籠もって、
無口な女中が世話をするだけの生活を用意してもいいけど。
彩:いやー、やるべき仕事があるって、実は素晴らしいことだよね。
【泰平の世で奥を作るまでは死ねない】
千:さぁて、ドンドンと僕の立場が危うくなってるよね、これ。
麗:安心して下さい。最初から期待している方など、何処にも居ませんから。
千:うん、お約束ありがとう。
茜:大丈夫、千織君には、城を枕に大量の火薬に火を付けて、
敵の大群を道連れにするっていう大事な役目があるから。
千:アメリカ映画ならそれでハッピーエンドなのかも知れないけど、
僕は現世にしがみついてこそ勝者って考え方だからね!
【凡庸を自覚するのは大切なこと】
千:こんなことなら、公康のところに残るんだったな。
茜:別に、今から戻ってもいいよ?
千:それはそれで、釈然としないなぁ。
茜:裏切りを繰り返して生き残れるのは利用価値がある間だけだって、
歴史上の基本は教えておくけどね。
千:何を仰られますか、茜さん。
ぼかぁ、離反した時からこの家に骨を埋める気で満々でしたよ。
【見返りが期待できるだけマシとか言い出しそう】
千:さぁて、今日も今日とて何の面白みもなくて平々凡々だけど、
無難で堅実な仕事に精を出すことにしようっと。
麗:若干の、ヤケッパチ臭を感じるのですが。
茜:手が動いてる間は大丈夫だったりするんだよ。
世の悪徳企業は、それを利用して労働者を酷使してるんだけどね。
麗:戦国武将も似たようなものだと考えると、少し奥深い気がしてきました。
何か幾らでも続けられそうな物語ですが、これにて一先ず終焉です。次があるとすれば黄龍ちゃん十一期が終わる秋頃でしょう。何て気の長い話なんだと、自分でも思わなくもありません。
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