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 菅総理曰く、『テレビ討論は一対一ならともかく、複数を相手にするなら吊し上げになるからやらない』だそうです。
 俺ポカーン。え、ほんの二週間前ですよね。枝野幹事長だかが、『国会じゃなくて、テレビで充分に国民へ議論や政策は見せられる』って言ってたのは。テレビ討論なんて、七党首大乱戦とかデフォルトの世界じゃないですか。国会ならそれなりにキチンとしたルールがあって……すげぇな、民主党。

( ・ω・) 何か最近、マジであの総理、脳がヤバイんじゃないかって思えてきてる

『ボミオス』
『ルカニ』
 困った時は、とりあえず戦力の弱体化が基本だ。僕とアクアさんで、素早さと守備力に枷を嵌めようと波状で呪文を掛けたんだけど――。
「効かない!?」
 敵を対象とした呪文が、結果として効果を及ぼさないことはよくある。でも、それはあくまで、精神力ではねのけたり、魔法障壁で押しのけられることが原因だ。
 だけど今のは、そのどちらでも無かった。まるで呪文そのものがすり抜けていくかの様な、そんな感触だ。
「ホッホッホー。無駄でございやーす。アッシは、只の人形ですかーら」
「は?」
 に、人形? いきなり、何の話なのさ。
「うりゃ!」
 不意に、シスが勢い良く振り返ると、斜め後ろに向けて鞭を振るった。
「おっとっと。威勢のいい嬢ちゃんだ」
 その先には件の熊面オヤジが――くっ、黒眼鏡に気を取られて、こっちに気付かれたか。
「こっちはちゃんと人間っぽい気配があるし、やりやすいなぁ」
 そこが重要なポイントだっていうのが、僕にはちょっと理解出来ない。
「まあ、待ちたまえ。私は、君達に敵対するものではない」
「はい?」
 そう言われても、完全に戦闘モードだし、張り詰めた糸は緩まない。
「ふぅむ、話し合いは無理か。ジュリ、頼むよ」
「ん、分かった」
 言って女の子は、杖を突き出してきた。
 呪文封じ!? いや、来ると分かってればそれなりに対応できるし、そもそも全戦力を無力化する訳じゃない――。
『ラリホー』
「な!?」
 想定とは外れた呪文が飛んできたことに、動揺の色を見せてしまう。
 この一瞬の心の隙を許してくれないのが呪文の厄介なところだ。ああ、何か頭がクラクラとして――。

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