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 菅総理が、消費税の増税分を低所得者にある程度還付すると発言したことに、与野党から批判が相次いでいるそうです。そりゃまあ、低所得者の基準が、一日の内に二百万から四百万まで動くようじゃ、信用は得られませんよね。と言うか、議論したいと言っていたはずなのに、既定路線で進められたんじゃ、むしろ焦点にして下さいと煽ってるみたいなものです。消費税という、選挙に於けるタブーに触れた今、必敗は免れないのかも知れません。

( ・ω・) やっぱり、総理を今から変えるしかないんじゃないかね?

「しかし、普通、方向音痴ですぐ記憶が飛ぶ子に、あんな仕事を任すかなぁ?」
 何だか、色々と疑問が湧きすぎて、逆にどうでも良くなってきたよ。
「ヘイ、ボーイ」
 不意に、後から男性の声を知覚した。
「!?」
 幾らあの父娘に集中していたとはいえ、背後を取られるなんて余りに間が抜けている。反省と共に何歩か後ずさると、イヅナに手を掛け、声の発信源を視認した。
 年で言うと、三十を少し過ぎたくらいだろうか。逆立った短髪が特徴的で、僕より頭一つは大きい上背とその肉付きの良さから言って、相当の体力を持ち合わせているんだろう。何の意図で声を掛けてきたのか、目元から感情を読み取ろうにも、黒眼鏡が邪魔をして何も得ることが出来ない。
「……」
 あれ、何だかシスが、随分と緊迫した顔してる様な?
「こいつ、相当、ヤバいよ」
「どしたのさ」
 これだけ本気な目をしてるのって、姉さんとヤマタノオロチが居た火山洞窟に潜った時以来じゃなかろうか。
「あたしが、全く気配を感じなかった」
「はぁ?」
 シスの五感は、正直なところ人間を辞めている域なんだろうと思う。分かり易く言うと、野生の獣と同等と言うか、ヘタをすればそれ以上と言うか。
 そんなシスが、たかだか人間が歩いてくるのを認識出来ないだなんて、有り得ないことと言っていい。
「ハハハ、ドモドモ、驚かせてシマッタようだね」
 急に右手と口元を上げて、愛想よく振舞ってきた。な、何だこの人。気配が無いだけじゃ飽き足らずに、頭の方まで危ないの?

 

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