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 いや、あれです。『それゆけ黄龍ちゃん!』に玄武って居るじゃないですか。嫉妬魔人のガイノイド。妹に、全てのスペックで上回る真武ってのが居るんですが、出来がそんなによくない長子ロボットに、チート気味の妹。これは、ドラえもんフラグ!!

( ・ω・) のび太は朱雀の生き別れの兄説が濃厚だし、何という作品だ

「……」
 全てが、静かだった。人の声も、物が発する音も、ううん、見えるべきもの、匂うべきものの、味わうべきもの、肌で感じるべきもの、全部が遠くに押しのけられて――だけど僕という自己だけが隼の様な速度で肥大していた。
『ライ――』
 迷いは、無かった。
 さざ波も立たない、ベタ凪の様な心持ちの中、精神と魔力が完全に同調し、解放の時を待っているのを理解出来た。思えば、系統の違う新たな呪文を初めて使う時は、いつもこんな感じだった気がする。まだ誰も足を踏み入れていない新雪の中を歩くかの様な高揚感。今、僕の心の中は、確かにその思いで満たされていた。
『デイン!』
 空が、切り裂かれた。
 無明の虚空から放たれた一筋の雷光は、轟音と共にジグザグの軌跡を辿ってドンの脳天へと達した。
「うぬぅ!?」
「くっ」
 呪文を使った際の魔力放出で軽減はされるものの、この至近距離だと完全に免れるという訳にはいかない。
 それでも、ドンへの衝撃は僕のそれを遥かに上回ったらしく、がっちりと肩を固めていた両腕が外れて、僕はその場に尻餅をついた。
「はぁ……はぁ……」
 精神と肉体が、完全に覚醒しきっていた。動悸の一つ一つが、力強く叩かれる太鼓みたいにみたいに耳へと届いて、他の音が掻き消されてしまう。
「痛っ――」
 次いで感じたのは、左肩に走る激痛だった。そうだ、痛い目に合わされたんだっけ。触っただけじゃどうなったか診断しきれないけど、とりあえずホイミで鎮痛だけはしておこう。
「おいおい、ライデインだと?」
「あれは僧侶系でも魔法使い系でもない独自系統の呪文だぞ。あの若さで使えるとか、どんな才気だよ」


 

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