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 そういやすっかり忘れてましたが、国会会期延期がなくなったことで、労働者派遣法の改正も順延されたんでしたっけ。
 『国民の生活が第一(笑)』って、嘲笑っていいところですか。結局、どの議員も皆、議席が一番やねんで。議員に対してはその思想と能力を的確に読み取って、国民が『脅迫』ないしは『交渉』する以外ないと、いい加減気付かないかなぁ。

( ・ω・) そんだけ民度の高い国が、一体、世界の何処にあるんだって気もしますけど

 よ、良く分かった。この人、腕はあるのに商売を度外視しちゃう典型的なタイプだ。そりゃ、お金が無くなってこんな酷いボロ屋でやるしかなくなっちゃうよ。
 考えように依っては、僕達にとっては都合が良いとも言えるんだけどね

「良く来てくれたね」
 日没から数刻が経った約束の時間、僕達はジョージさんが指定した宿屋の一室に足を踏み入れた。
「何だか、ややこしいことになってるみたいですしね」
 世の全ての揉め事を解決するだけの器量は無いけど、せめて目についたことくらいは首を突っ込んで努力しようっていうのが、今の僕の目標だ。
「こちらが、私達、反スピルグループを取り仕切っているゴール氏だ。
 そしてゴールさん、こちらが勇者アレクさんとそのお仲間です」
 ジョージさんが間に入って、互いを紹介してくれた。
「聞けば、この世界が窮する中、全ての無益な紛争を排除する為、世界を回っておられるとか。その高い志、このゴール、感服致しております」
 え、えー。ここまで持ち上げられると、流石に居心地が悪くなるんですけど。
「とりあえず、お話を伺います」
 室内に据えられた円卓は、五人が掛けても尚、余裕がある程の大きさを持っていた。
 この、一見すると雑貨屋のおじさんにしか見えない小男のゴールさんだけど、これだけの経済都市で一翼を担っている以上、それなりの肩書きを持ってるんだろうね。
「失礼。私の商売を説明しておりませんでしたね。この近くで、小さな雑貨店を営んでおります」
「……」
 あれ?
「えー、それは町内各地に、何十店舗とかいう規模で――」
「いえ、一店舗だけですが?」
 何だか、話が一気に矮小化しそうな、そんな切ない予感がひしひしとしてきたんですが。

 

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