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 あ、ありのままに起こったことを話すぜ。結局、来年度概算要求は、今年準拠で六兆九千億円増えて、削減分は一兆三千億円に留まった。バラ撒き公約は達成しないといけない。赤字国債は圧縮しないといけない。どちらもやらなきゃならないのが、マニフェスト詐欺の辛いところだぜ。

( ・ω・) 何か混じったけど、細かいことは気にすんな

 この、大型船くらいなら収められそうな巨大な空間の中心に、祭壇と思しきものがあった。まるで、蜂の巣穴の様に綺麗な正六角形に配置された巨大な燭台と、その中心、ピラミッド状の台に供えられた球状の何か。神秘的な空気と、儀式的な装飾から考えても、何かを祀ってるのは間違いないと思うんだけど――。
『良くぞ参られました』
 不意に、何処からとも無く声がした。
『心強きオルテガとシエラの子にして、アレルの弟、アレク』
『貴方が来られる日を、お待ちしておりました』
 言葉と共に、手前の燭台二つの根元付近が、淡く光りだした。
『ここは神威に満ちた聖なる場所』
『邪なる力を帯びた魔物達は、近付くことが出来ません』
 二つの光は、徐々に中心に纏まっていくと、やがて二人の少女を形作った。一方が短髪、もう一方が長髪であることを除いては差の無い容貌で、恐らくは双子なのだろう。銀髪と薄い表情が何処か霊験を感じさせ、少し近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
『私達は』
『私達は』
『卵を』
『卵を』
『守っています』
『守っています』
 二人の微妙に異質な声が、混ざり合って同調して耳に届く様は、普段の会話とは違う、若干の違和感を覚えさせてくれる。
「卵……ですか?」
 あの、燭台の中心にある丸っこいのは、卵だったのか。どう見ても、五人分くらいの大きさがあるし、形は似ててもそういう発想は出てこなかった。これで目玉焼きを作ったら、百人くらいはお腹一杯になりそうだとか、少し不謹慎なことを考えてしまう。

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