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 中国の、いわゆる春秋戦国時代に、覇者というシステムがありました。平たく言うと、有力な勢力が諸侯を集めて、『いざって時はてめーらを守ってやるから、貢ぎ物を寄越しやがれ』というものです。
 ん? これってつまり、今の日本なんかとアメリカの関係と殆ど一緒じゃないのか?

( ・ω・) 人類、やっぱり殆ど進歩してない説が濃厚に

「やっぱり、クレインには一緒に来て欲しいけど、個人の意見は尊重しないとね」
「体の良い厄介払いだろうが!」
 流石はクレイン。僕が言いたかったことを、一言で纏めてくれたよ。
「じゃ、そういうことで。僕達は自分の部屋に帰るから。
 今後の身の振り方については、じっくり話しあってね」
「あ、逃げんな、コラ!」
 只でさえ混沌として訳が分からなくなってきてたのに、これ以上、引っ掻き回されちゃ溜まんない。
 ここは一時戦線離脱という名目で、距離を置かせて貰おうと思うんだ。

「あ、クレイン、おはよう。清々しい朝だねぇ」
 翌朝、相も変わらずお酒が残らない僕に対して、クレインは下手な二日酔い以上に疲弊しきっていた。
「てめぇ……良く俺の前に面ぁ出せたもんだな」
 生まれた時から勇者の息子なもんで、ある意味、打たれ強さは鍛えられてるよ。
「それで、どう纏まったの?」
「ネクロゴンドには行く。が、あいつらは置き去りにする」
「成程」
「ってのを真っ先に思い付いたんだが、よくよく考えてみりゃぁ、行き先がバレてんだから後を追ってくるだろうな」
「かもね」
「あいつらの強さで、生き延びられると思うか?」
 う、うーん。あんまはっきり言うのははばかられるけど、ダーマ準拠で一人前にもなってないとなると厳しいかも知れないなぁ。
「第二の方策として、てめぇらの乗ってきたっていう船に押し付けるってのがあるんだが――」
「何、その僕達の意志をきっぱり無視した発想」
「これも考えてみりゃ、あいつらが逃げ出しゃそれまでだって気付いて諦めた」
 僕達を気遣った訳じゃないっていうのが果てしなくクレインらしい。

 

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