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 私は、大長編ドラえもんと言えば、一桁の後半辺りに慣れ親しんだ世代なのですが、割とここいらってトラウマシーンが必ず用意されてますよね。意図的かどうかはさておき。
 最近のは詳しく知らないのですが、子供心に恐怖感を与えるというのも、ある意味、創作物にとって必要な物の様な気もします。鉄人兵団終盤の絶望感は異常。

( ・ω・) だから出木杉を参謀として招き入れろとあれだけ……

「個人的な見解としましては、前衛が欲しいところではありますわ」
 僕達は、大海の向こう側、サマンオサの南方へと向かう為、差し当たってジパングへ戻る航海に入っていた。
 クレイン達と別れた後、数日を掛けて情報収集したんだけど、結局、大した情報を得ることは出来ず、当初の決心通り、海賊の村へ行くことになったんだ。
 特に海が荒れることもなく、いつも通りの、割とのんびりした船旅だった。そんな中、今後について話し合っていたんだけど、アクアさんがそんなことを話題として口にした。
「たしかに、随分と偏った感じはあるよね。僕が魔法使い寄りで、シスは肉弾戦は不向きの盗賊、アクアさんは僧侶って、バランスで言うと無茶苦茶かも」
 更に言うと、元傭兵で戦士経験があるとはいえ、魔術師のクレインに、純粋な魔法使いのシルビーさん、賢者のリオール君と、あっちも大概だと思う。
「トウカ姉さんが戦えれば一番良いんだけどなぁ」
 まあ、無いものねだりに近いし、しょうがないかな。
「ここは一つ、アレクさんの、見違える程の変貌を期待したいところですわ」
「う……努力は、するよ」
 相変わらず兄さんの剣は重すぎて、実戦投入出来る状態には程遠いよ。
『うおぉぉい! ジパングが見えたぞぉ!!』
 穏やかな一時を切り裂く様に、見張り台から声が響きわたった。
 うーん、まさか、こんなに早く戻ってくるとは思わなかったなぁ。って言うか、旅に出てから二度、同じところに立ち寄るってロマリア以来かも。とっても変わってるアクアさんのお爺さん、元気にしてるかななんてとりとめの無いことを考えつつ、上陸の準備をする為、自室へと戻ることにした。

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