2009
つー訳で、私的超短編第二段、『ドラゴン・スレイヤーと呼ばれた男』を始めます。まあ、数を書いてればその内、何かコツを掴めると思うのですよ。音を上げるかも知れませんが。
( ・ω・) こまけぇこたぁいいんだよ。最後に愛は勝つんだから
ドラゴン・スレイヤー、即ち、竜殺しの称号に憧れる男が居た。まるで騎士道物語に陶酔したドン・キホーテの様な滑稽さだが、当人は真剣だ。インターネットに始まり、博識な知人、果ては国会図書館にまで足を運ぶなど、思いつく限りの手段を用いて調べ尽くした。
結果、現代日本社会に竜、或いはドラゴンと呼べるものは存在しないことを知り、絶望した。その落ち込みようは生半可なものではなく、他人との関わりを全て拒絶し、自室から一歩も出ない程であった。
しかし、人間である以上、喉も渇けば、腹も減る。生理現象だってもよおす訳で、八時間程で降伏し、普段の生活へと戻ることとなった。
とりあえず男は、ファンタジー系ネットゲームの世界へと足を踏み込み、ドラゴンと名の付く怪物を狩りに狩りまくった。こうして同ゲームのプレイヤーから、『竜殺し』の称号を授けられたのだが、何かが違うことに気付き、三ヶ月程で退会した。
そこで男は、一つのことに思い至る。自分が調べたのは、あくまで日本国内のことであり、しかも一般人が知りえる範囲の情報だ。ネス湖のネッシーは虚偽であるとされたが、危険すぎる真実は、往々に隠蔽されるものだ。それに、この広い世界の全てを、人間が知っているとするのは傲慢だ。本当に竜殺したらんと思うのであれば、自身の五感で以って存在の是非を確かめるべきなのではなかろうか。
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