2009
たしか、鳩山代表のテレビニュースを見ていた時だったと思うんですが、何かのコメントで、『ふに落ちない』ってテロップが出たんですよ。『腑に落ちない』なんて漢字では表記されませんからね。『ふに落ちない』です。鳩がふに、鳩がふにって――。
( ・ω・) 俺はもう、末期かも分からんね
「商道の言葉の一つに、『奇貨』というものがあります」
「きか……?」
「商売の基本は大まかに四つあります。一つは八百屋や魚屋の様に、生産地と売り捌く土地での相場の差額で儲けるもの。
一つは、鍛冶屋や調理師の様に、物品に付加価値を加えるもの。
一つは宿屋や酒場の様に、場を提供するなどのサービス料を収入とするもの。
最後の一つは、将来的に需要が高まりそうなものに先行投資し、価値が上がったところで回収するものです。
現実的にはそれぞれ複合している面があるので、単純に分類化は難しいのですがね」
あれ? 僕、クワットさんに商売を教わりに来たんだっけ?
「奇貨というのは、四つ目の、将来、値が値が跳ね上がりそうなものの中でも、特に際立った可能性を秘めたものを指します。
成程、たしかに現状、世界を回ることは危険でしょう。ですがそれ故に、困難を乗り越えて手に入れたものは価値があるのですよ。貴方のお兄さんが、黒胡椒を持ち帰った一件の様にね」
「――!」
薄々勘付いていたとはいえ、実際、面と向かって言われると心臓が小さく跳ね上がってしまう。
「知って、いたんですか?」
「ええ、商売人にとって情報は生命線ですからね。こと人の出入りに関して、私の右に出る者はポルトガに居るかどうか――」
又してもさらりと、国王以上の力を持ってるって言ってるよね。
「とはいえ勘違いしないで頂きたい。私は何もあなたや、お兄さんである勇者アレルを糾弾しようというのではありません。あれはあくまで、愚かな王の失態であり、求めた方に落度などないのだから」
「はぁ」
どうもこういう政治的事情って奴は、今一つ飲み込めない部分がある。