2009
何か、涼しいんだか暑いんだか今一つ分からない気候ですが、皆さん、体調は大丈夫でしょうか。新型のアレも暴れ狂ってることですし、本当、物騒な世の中ですなぁ。
( ・ω・) このフレーズ、実は千年くらい前から言われてる気がしてならない
「しかも、今の世の中は、御存知の通りです。明日、魔王軍の襲撃を受けて命を失うやも知れませんのに、金貨を蓄え、私財を肥やし何となることでしょう。そこを全く理解していない王侯貴族の愚鈍さ。全く以ってなげかわしく――」
「と、とりあえず、その件に関しましては、置いておいてですね」
どうにも、話が右に左に逸れて、一本、筋が通らない。
「それで、如何でしょう。実のところ、私の船は既に完成し、船員も当たりをつけています。お受け頂ければ、三日で出航することも可能ですよ」
「み、三日?」
「兵は神速と尊ぶと言いますが、商売の道も、早さと速さが命。むしろこれ以上、短く出来ないことをお詫びしたいくらいです」
いやいや、三日って言ったら、アリアハンからレーベへの旅路より短いですから。僕達がアリアハンを出てから既に何ヶ月も経ってることを考えれば、三日で船に乗れるなら誤差範囲みたいなものですよ。
「そ、それでですね」
何だか、話がうますぎて、まだ軽い錯乱状態にあった。助け舟を求めようと、両脇の二人に目配せしてみたんだけど――。
「わたくしは、アレクさんに一任しますの」
「あたしもそれでいーや。考えるの面倒だし」
これだもんなぁ。とりあえず、リーダーとして信頼されてるってことにしておこう。そうしないと、自我が保てそうに無いし。
「一晩……考えさせてもらって良いですか? 何ぶん、急すぎる話で」
「ええ、それで構いませんよ。では明朝、またお会いしましょう。折角ですから、我が家にお泊まりになりますか?」
「いえ、宿をもうとってますから」
「それは残念」
正直な所、このまま場に残っていたら、冷静な判断が出来なるというのは、心の内にあった。少し、外の空気も吸いたいし。
色々な考えが頭を巡ったまま、僕達はクワットさんの家を後にして、宿へと戻ることにした。
2009
皆さんは、女顔という言葉を御存知だろうか。そう、女性寄りの顔をした男性のことである。それを踏まえた上で、こちらを御覧頂きたい。
見事な女顔である。なよなよした風体、薄い胸板。男装の麗人と言っても通用しそうであるが、一体、誰なのか……と、ここで、舞浜千織氏だとネタ晴らし。一部、特異趣味の方が喜びそうなので、その手の場所に行った時は用心すべきなのは、言うまでもない。
( ・ω・) あのナレーターが引退したら、まる見えってどうするんだろうね!
「す、少し整理出来てきましたけど、良いんですか? そんな、初めて会った僕達に私財を投げ渡すみたいな真似」
余りに展開が唐突過ぎて、理解しきれて無いけど、大体、合ってるよね?
「どうやら、もう一つ行き違いと言うか、勘違いがある様ですな」
「と、言いますと?」
「商人という生き物についての認識です」
「はぁ」
何を言いたいのかが、今一つピンと来ない。
「仮に、あなた方に五代、十代に渡って豪遊して暮らせる程の財産があったとしましょう。さて、どうされます?」
い、いきなり、何の質問なのさ。
「そんなの、ダラダラ遊んで暮らすに決まってるじゃない」
はい、ちょっと待った、義賊さん。
「お爺様と相談することになるとは思いますが、多分、庶民が安心して暮らせる為の機構作りをする、政治資金として使うことになると思いますの」
最終目標はともかく、手段が全く僧侶らしくない気がしてならないのは、僕だけじゃないよね。
「僕は……余りお金にはならない仕事の資金にするかな。研究とか、芸術とか」
いわゆる道楽って呼ばれたりもするものだけど、こういうのが僕の性には合ってる気がする。
「成程。それぞれに、らしい答が返ってくるものですな」
「私は、お茶と読書で日々を過ごしたいですね~」
それにしてもこの奥さん、突き抜けて能天気だなぁ。
「ですが、商人は違います。いかに莫大な資産があろうとも、それを元手にして、更なる財を成すことを考えます。と言いますか、それを考えないようでは、商人と呼んではいけないと言っても間違いはないでしょう」
す、凄いなぁ、そのチャレンジングスピリッツ。一部の魚は泳ぎ続けないと死んじゃうって聞いたことあるけど、似てる気がしてならない。
2009
今更ですが、『ネクスト大臣』とは一体、何だったのか。あれって、民主党が政権獲った暁には、大臣にするって公約みたいなものだと思ってましたし、実際、そうだと思ってる人も多いと思います。あくまで、民主党内での、『担当人材』に過ぎないなら、『ネクスト』なんて名前付けるのはどうなんでしょうか。まだ全部決まった訳でもないんですが、内定してるらしいのが幾つらあるらしいですし。
( ・ω・) まあ、政治なんて騙し合い化かし合いだろと言われたら、反論しようがないんですがね
「結論から言いましょう。アレクさん。私が所有する船に乗って、世界へと飛び立ちませんか?」
「……」
ぶー!
「わ、汚いなぁ。お茶吹かないでよ」
僕だって、まさかこんなベタなリアクションとることになるなんて思わなかったよ。
「い、いきなりの話で、少し頭が混乱してるんですが」
「そういう時は、パーティアタックが基本ですの」
「ほぉ。それでは仕方ありませんな。これでも若かりし頃は丁稚として鍛え上げたこの肉体。勇者殿に向けることが出来るとは、ある種、光栄というものです」
わ、わー! 正気になりましたから! そんな筋肉を見せ付けて腕を振り回さないで!
「あたしが鞭で打てば良かった?」
又しても話が逸れてるから! はい、元に戻すよ!
「僕達に船って――」
「ええ。先ほど、奇貨の話をしましたでしょう?」
「それは、別大陸や未交易国家での、新しい商材の話ですよね?」
「おやおや。どうやら、少し行き違いがありましたか」
ん? 僕、何か間違ってた?
「私の言う奇貨とは、貴方達のことですよ」
「……?」
その言葉が耳に入って理解するまでが約七秒。思考することおよそ十秒。何だかもやもやした感情が心を流れること十秒強。計三十秒程の沈黙の後、僕がとった行動は――。
「は?」
瞬間的にとったものと、大差無いものだった。
「投資とは、物に対して行われるものだと思われがちですが、将来、益となる人材であると判断すれば、惜しみなく注ぎ込みます。尤も、人を見る目と自身の器が無いと、あっさりと裏切られて無為と化しますがね」
あ、あれ。又しても、商売の基礎知識に話が移ってない?
2009
『それゆけ黄龍ちゃん!』は社会風刺作品であるという評価を時たま頂くのですが、書いた本人は『へー、そうだったのか』というリアクションに落ち着きます。何か、ピンと来ない部分があります。基本、あれは、ダメな奴らの観察日記みたいなスタンスで書いてるもので。そういう意味で、人間風刺作品というのなら、納得出来る部分も多いのですが。
( ・ω・) 人間は何で同じ過ちを犯すのかというテーマは、奥深いと思いますけどね
「更に言うのであれば、船をアレル殿に渡したこと自体は、それ程の問題でも無いと考えている」
「は?」
ついさっきの怒り様は何処へ行ったのか。そろそろ、頭が付いてこなくなってきたよ。
「たしかに、この御時世、黒胡椒と引き換えに船を与えたことは断罪されるべきでありましょう。だが、勇者を相手にしたという点に於いては、むしろ評価すべきさえとも考えます」
「詰まるところ、纏めると――」
「王が勇者と認めたのであれば、然るべき手続きの後、与えるのも良いでしょう。その時は私の様な者に糾弾されるやも知れませんが、後に彼らが世界を平和にすれば、それを補って余りある名声を、ポルトガという国家が享受することが出来る訳ですから、一種の投資とも言えます。
ですが、黒胡椒と交換などという条件を持ち出すから、王の見識を疑われるのです。それではあくまで、対価としての船となり、勇者という人物を見抜いた評価はなされない。それでは、意味が無いでしょう?」
成程、ね。単純に船を相場通り売買するってだけじゃなくて、将来、どれだけの見返りがあるかまで考えろってことか。商人的発想というのも、これはこれで奥深いみたい。
「当時、クワットさんが王の立場にあったら、兄さんに只で船を与えたってことですか?」
「それは分かりかねます。間が悪いことに、その時期はちょうどイシスで買い付けをしておりました故、勇者アレルに直接は会っていないのです。私は、自分の目で見たものしか信じない主義なもので、判断材料が足りません」
あらら。
「じゃあ、兄さんがポルトガの後、何処に行ったかも知りませんね?」
「ええ、生憎と」
それは残念。ちょっとくらい手掛かりを得られるかと思ったのに。
「ですが本日、勇者アレクと出会うことが出来た。何という素晴らしいことでしょうか」
「……」
はい?
2009
たしか、鳩山代表のテレビニュースを見ていた時だったと思うんですが、何かのコメントで、『ふに落ちない』ってテロップが出たんですよ。『腑に落ちない』なんて漢字では表記されませんからね。『ふに落ちない』です。鳩がふに、鳩がふにって――。
( ・ω・) 俺はもう、末期かも分からんね
「商道の言葉の一つに、『奇貨』というものがあります」
「きか……?」
「商売の基本は大まかに四つあります。一つは八百屋や魚屋の様に、生産地と売り捌く土地での相場の差額で儲けるもの。
一つは、鍛冶屋や調理師の様に、物品に付加価値を加えるもの。
一つは宿屋や酒場の様に、場を提供するなどのサービス料を収入とするもの。
最後の一つは、将来的に需要が高まりそうなものに先行投資し、価値が上がったところで回収するものです。
現実的にはそれぞれ複合している面があるので、単純に分類化は難しいのですがね」
あれ? 僕、クワットさんに商売を教わりに来たんだっけ?
「奇貨というのは、四つ目の、将来、値が値が跳ね上がりそうなものの中でも、特に際立った可能性を秘めたものを指します。
成程、たしかに現状、世界を回ることは危険でしょう。ですがそれ故に、困難を乗り越えて手に入れたものは価値があるのですよ。貴方のお兄さんが、黒胡椒を持ち帰った一件の様にね」
「――!」
薄々勘付いていたとはいえ、実際、面と向かって言われると心臓が小さく跳ね上がってしまう。
「知って、いたんですか?」
「ええ、商売人にとって情報は生命線ですからね。こと人の出入りに関して、私の右に出る者はポルトガに居るかどうか――」
又してもさらりと、国王以上の力を持ってるって言ってるよね。
「とはいえ勘違いしないで頂きたい。私は何もあなたや、お兄さんである勇者アレルを糾弾しようというのではありません。あれはあくまで、愚かな王の失態であり、求めた方に落度などないのだから」
「はぁ」
どうもこういう政治的事情って奴は、今一つ飲み込めない部分がある。