2009
ぷんすかぷんすかぷん。
この昭和の様な擬音が聞こえてきそうな西ノ宮さんの怒りようは一体、何があったのか。冷涼なる論客と呼ばれた彼女をここまでにするものとは――。
( ・ω・) 妹'sが、プリンを勝手に食ったとか、そんなレベルだと大予想
「どうじゃ。咎めはせぬが、黄金一抱えで交換してみようとは思わぬか?」
だー! クワットさんといい、真顔でそういう提案はやめてってば!
「冗談、じゃよ」
冗談っていうのは、笑えるもののはずだったと思うんだけど、僕の解釈は間違ってるのかなぁ。
「済まぬが、これと類似した宝珠のことは聞いたことが無いのぉ」
「そうですか」
まあ、ジパングには既に一つあった訳だから、ここにもう一個あるっていうのは、考えにくいかな。だって、纏まってたら、試練としてのオーブに、意味があるんだか無いんだか分からなくなっちゃうもの。
「それじゃ、何か情報を手に入れたら、連絡下さいね」
「うむ、国家の長として約束しようぞ」
いえ、そんな大仰な話じゃなくて、一友人としてで構いませんから。
「んー、ってことはとりあえず、次の目的地を決めないとなぁ」
アリアハンから世界の主要国家が密集する大陸へと渡り、次いで船を手に入れる為にポルトガに行って、兄さん達の足跡を追ってレイアムランド、ジパングに来た訳だけど、この後となると、明確な指針が無い。とりあえず、キメラの翼やルーラで行ける地域を増やす為にも、色んな土地に行っておきたいなぁ。
「何処か、行きたい場所ってある?」
世界地図を広げて、現在位置を再確認する。ジパングは、最大の大陸の東端にある、独立した島国だ。更に東の大海を渡れば、サマンオサと呼ばれる武装国家のある大陸に行き当たる。唯、サマンオサは高い山脈に囲まれた堅牢の地で、簡単には辿り着けないと聞いている。
南に向かえば僕とシスの故郷、アリアハンだけど、とりあえずは置いておこうかな。あ、でも、もしかするとオーブの情報があるかも知れないし、一度戻った方が――んー、でも、バラモス倒すまで帰らないって決めたしなぁ。