2011
寿司ってあるじゃないですか、寿司。起源は良く知りませんが、とりあえず日本ブランドで海外発信もされてる、ちょっと御馳走的な食べ物。よくよく考えてみればあれって、酢だわ、ワサビだわ、どんだけ殺菌するんだって話ですよね。そりゃ、昔は今ほど保存技術が発達してなかったから致し方ないんでしょうけど、そこまでして生魚を食うという執念が凄いと思うのですよ。
( ・ω・) この無駄とも言える情熱が、日本文化の要だと思っている
「じゃあ、まあ、宜しくお願いします」
「何よ、その言い方。ちょっとやる気無いんじゃない?」
「そう言われましても」
自慢じゃ無いですが、想定外のことへの対処の訳の分からなさは、僕自身も良く分かっていませんから。
「そうね。どうも気合が足りないみたいだから、手土産代わりに、手合わせしてあげるわ」
「いいです。憂さ晴らしにしかならないのが、目に見えてますから」
本当、この人も大概に自由だなぁ。
「それはそれとしまして」
「あんまり、ないがしろにされるのも嫌なんだけど」
この本筋を進めるつもりのなさは、僕達の仲間として、何の違和感も無いのがある意味で問題だ。
「そうじゃなくて、ボブさん達。結局、何処に行ったのさ?」
エビルマージ達が連れ去った訳でも無さそうだし、何が何だか分からない。
「ボブ……?」
「どうしました」
「ちょっと待って……何か記憶に引っ掛かるものがあるから」
言ってクリスさんは、眉間に皺を寄せて、手を口元に充てた。
「そーいやさ。こう、眉根を寄せたりして考える人って居るけど、あれって考えの効率上げる役に立つの?」
「気分の問題かな、と」
「気分は大事ですわよね」
「あなた達、人が考えてるんだから、少しは協力しようって思わない訳?」
自由奔放な面々に囲まれる恐ろしさが分かったか。