2009
あ、ありのままに起こったことを話すぜ。回覧板を流し読みしていたら、新幹線駅誘致懇談会のチラシがあった。な、何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何をされたか分からなかった。時代はリニアモーターカーだとか、昭和時代の発想だとかそんなチャチなもんじゃねー恐ろしさを感じたぜ。
( ・ω・) いやぁ、ポルナレフさんは、世界中で驚いて大忙しですなぁ
「何だか勘違いしてる様だから言っておくがな。高いのはキメラの翼だけだ。料金表を見てみろ。薬草や毒消し草なんかは余所の国とそう変わらないはずだ」
言われてじっくり見てみると、たしかに異常な値を示しているのはキメラの翼だけだった。
「どういうことです、これ?」
「こっちが聞きたいくらいさ。ここんとこ、こいつだけ卸値が急騰してな。こっちも商売だし、仕入れ値を割って売る訳にゃいかないが、これでもギリギリに抑えてあるんだぜ」
うーん。話の真偽はさて置き、一応、筋は通ってる。客寄せの為に、一つか二つ、赤字を出しても値を下げるならいざ知らず、その逆は店にとって何の得も無い。
「ま、ちょっと興味出てきたんで、何店か回ってみますね。話の裏も取ってみたいですね」
「おいこら。結局、何も買わない気か。本当、とことんまでに可愛くねーな、おい」
又しても聞きなれた言葉を聞いたけど、気にしない、気にしない。
「うーん、たしかに、どこもキメラの翼だけ高かったなぁ」
「俺の言ってること、間違ってなかっただろう?」
あの後、シスと一緒に幾つか道具店と巡って、最初の店に戻ってきていた。こうも見慣れない数字が羅列されると、何だか、始めからこの値段だったんじゃないかって錯覚するくらいだ。考え様に依っては、キメラの翼の便利さから言って、百ゴールドでも安いくらいだとも思うんだけどね。
「だけど、他のものは、額に多少のバラ付きがあるのに、消え去り草だけは三百ゴールド固定ってのはやっぱり不自然だよね。後々、問題にしたくなかったら、やめた方が良いんじゃないかな」
「坊主、俺はてめぇを、殴って良いよな?」
うん、もちろん、丁重にお断りさせて貰うよ。