ワールドカップ日本代表の戦いはここで終わりましたが、まあ一つだけ言わせて下さい。
( ・ω・) 私は、負けたオランダ戦しかライブでは見てねーんだよ!
「んで、追う訳だね」
「そうそう」
勘が良さそうな相手ならシス一人で尾行して貰った方が安全だけど、あの子なら三人でも大丈夫だよね。
「悪い男だよねー。あんな小さな子でも、容赦なく弄んで利用するだなんて」
何だか、えらく酷い言われようだけど、気にしないよ、うん。
◇
「……」
女の子を追跡して、一刻は過ぎただろうか。何だか、同じところをひたすらグルグルと回っているって言うか、平たく言うと道に迷ってるんじゃ――。
「相手を撒く時は、こう似た様な道筋を使って感覚を狂わせるのが基本ではあるよね」
「そこまでする子には見えないけど」
シスの論理を受け入れる為には、あの眠っていた段階から計算ということになるんだけど、幾らなんでもそれは無いだと思う。
「あ、またコケた」
「これで四回目だっけ?」
「五回目ですわ」
何も無い、平坦な道で足を絡ませられるって、一種の才能なんじゃないかなって思わなくも無いよ。
「ん? 何かキョロキョロしてるよ」
「唇を読む限り、『ここ、どこ?』って言ってるみたいだけど」
「迷ってるのに、今気付いた訳?」
「いやー、あたし達を騙す為の演技かも知れないよ」
シスはどうあっても女の子を謀略家にしたいみたいだけど、何か恨みでもあるのかな?
「と、誰か近付いてるよ」
どうやら、ちょっとくらいは進展があるみたいだ。
「おぉ、ジュリ、こんなところに居たのか」
「父さんが居るっていうことは、ここはどこ?」
「ハハハ。相変わらずジュリは方向感覚と記憶力が大らかだなぁ」
どうやら、女の子の名前はジュリというらしい。そしてあの熊みたいな中年男性が件の父さん、ね。
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