2009
2016年のオリンピック開催地が、リオデジャネイロに決まりました。まあ、東京は残念と言えば残念でしたが、元々、国民の支持は余りありませんでしたよね。二十世紀スタイルの万博的なイベントやハコモノ行政に、飽き飽きしてるのが実態ですし。五輪自体、腐敗のイメージが強くて、少しでもフレッシュな場所でやるべきであるという流れもありますし、ロンドンに続いて、先進国の、それも二度目の開催となる東京は、絶対的に不利と言えました。まあ、シカゴに勝ったのは少し予想外ですが。ロビー活動で開催地が決まるとさえ言われる五輪で、日本が勝てるとも思えませんし、始めからかなり厳しい戦いではあったのでしょう。
( ・ω・) ところで、二年前の都知事選で、鳩ちゃんがオリンピック誘致に反対してたんだけど、この事実はどうしよう?
「あれ?」
今、沖の方に大きな船が見えたような……何だ、遠洋航海は殆ど行われて無いって言われたけど、大袈裟だったみたいだね。ちゃんと船、走ってるじゃない。
「ねぇ、シス、もう一つ良い?」
「どしたの」
「完全に下を見る勇気が無い状態なんだけど、どうしたら良いかな」
勇者って、勇気があるから勇者なんじゃないの、って言われそうだけど、少なくても僕に関しては当て嵌まらないよ。考えように依っては、勇気の無い勇者って斬新だよね。只の現実逃避なんだけどさ。
「ん~。高いとこが怖いって心理が、どうしても分からないから、何とも言えないかなぁ」
そりゃ、シスみたいに柵にお尻乗せて座れるくらいのバランス感覚があれば、何の問題も無いだろうけどね。
「落ちたら死ぬな~とか思ったりしないの?」
「ん? 何やってたって、人間、死ぬ時は死ぬんだよ?」
え、高所に対する苦手意識って、人生観から矯正しないと改善しない訳? とてもじゃないけど、この数分でそこまで達観するのは無理なんだけど。
「よっ……と」
結局、根性無しの僕は、ロープを腰に巻き付け、もう一方を柵に結び付けることで命綱としましたとさ。
うう……もう、勢いでここに登るのはやめようっと。
「どうですかな、船の感想は」
「あ、はい。実に良いです」
実際、こんな大型船に乗ったのは初めてだし、甲板と見張り台しか見てないんだから、正確に評することなんて出来ないんだけどね。