2009
【命懸けの師弟関係】
月:社会で活躍する、全ての成功者に死の裁きを。
黄:とてつもなく、酷い発言なんだよぉ。
月:まあ、考えてみれば、窓際教授とはいえ、
その助手よりはマシな訳で。
黄:そういうことを言っていられるのは今の内だけで、
せいぜい寝首を掻かれない様に気を付けておくんだよぉ。
【たまに学者か怪しくて】
月:しかし、一部のものだけが成功者になるのは、
明らかな人権侵害ではなかろうか。
黄:良い大人が、臆面もなく言い切ったことに感動したんだよぉ。
月:私はここに、全ての人民が成功者たる、
サクセスフル・ワールドの開設を、ここに宣言する。
黄:何だか、全盛期にこんな感じの思想が蔓延していた気もするけれど、
ブームとは一回りしてやってくるものだから、大したことじゃないんだよぉ。
【要は尊敬してません】
月:とはいえ、人とは所詮、相対でしか、ことを評価しない生き物。
黄:素晴らしい、掌返しなんだよぉ。
月:大多数に与えられる肩書きより、
隣の旦那の稼ぎが気になるのが庶民というもの。
黄:的は射ているのだけれど、この教授に言われると腹が立つのは、
人格が絶望的な証ということなんだよぉ。
【ソロバンあっての学び舎さ】
月:とりあえず、理事長と学長に、教授差別の是正をお願いしてきた。
黄:本当に行動する辺りが、恐ろしいんだよぉ。
月:まあ、開口一番、『はじめまして』と言われて名刺交換をしてきた訳だが。
黄:ある意味、名物教授として名が知れていると思っていたけど、
所詮、商品価値が無ければこんなものなのかも知れないんだよぉ。
2009
【どっともどっちで良い勝負】
月:今日の御仕事は、学生達のレポートチェック。
黄:立派な業務なんだよぉ。
月:ふと思う。私は、こんなことをする為に教授にまで上り詰めたのか。
黄:いや、自分でどう思ってるかは知らないけれど、世間というか学生の方は、
何でこんなのが教授なんてやってるのかと思ってるから大丈夫なんだよぉ。
【意外と深い気も】
月:今日の御仕事は、論文の為の資料集め。
黄:それは、むしろ文系教授の楽しみだと思うんだよぉ。
月:のんびりまったりとならともかく、
仕事で切れ目無く大量に読むのが楽しいとでも?
黄:今、プロとアマの明確な線引きというか、
さりげなく人生の真実というものを垣間見た気がしてならないんだよぉ。
【教授としてどうだろう】
月:今日の御仕事は、出版社での取材。
黄:珍しく、教授らしい仕事なんだよぉ。
月:まあ、某ゲーム大会で優勝したインタビューな訳だけど。
黄:一体、どの隙に出場したのかと思ったけれど、
考えてみれば日程表はスカスカで、
どうとでもなることに気付いてしまったんだよぉ。
【こちらがむしろ日常寄り】
月:今日は特にスケジュールが無いから、昼寝とネトゲを堪能。
黄:この状況に、むしろ安心感を覚えたなんて、
思ったとしても、認めてなんかはやらないんだよぉ。
2009
【世間的にはインテリ層】
月:うむ、今日のお昼は、肉が食いたい。
黄:碌な仕事もしてないくせに、燃費が悪いんだよぉ。
月:スキヤキ、ビフテキ、焼肉大会~♪
黄:それにしても果てしなく昭和の匂いしかしない選択肢で、
知性が微妙に感じられないんだよぉ。
【ちなみに九百グラム程】
月:フワハハハ、見よ、このツーパウンドステーキを。
黄:食べられるものなら、食べてみるんだよぉ。
月:例え残しても、分けてなんてあげない。
黄:正直、その巨大な肉塊を見ただけで胸が一杯で、
サラダとブレッドだけで、充分、満足なんだよぉ。
【大人だからこそサボりたい】
月:うっぷ。何という重量感。
黄:アホは学習しないんだよぉ。
月:このままでは、確実に午後の講義に差し支えるから、今日は休みに――。
黄:かつて、ここまでしょうもない理由で休んだ教授が居たかと思ったけれども、
案外、皆、適当な理由でばっくれてるから困りものなんだよぉ。
【所詮は世界のダメ教授】
月:えー、今日の講義は、予定を変更して、
『日本人の肉食文化の有りよう』について語りたい。
黄:今までに、これ程まで酷い講義内容があったであろうか、なんだよぉ。
月:とりあえず、日本人にアメリカ人並の肉食は無理、
という結論ありきで語るから、深くは考えないように。
黄:そして仮にも社会学者として、その姿勢は大問題だろうけど、
まあ、まともに聞いてる学生も居ないだろうから、事務仕事に戻るんだよぉ。
2009
【それでもクビにならないよ】
月:嗚呼、国立大教授が妬ましい。
黄:四流私立大教授が言うと、リアルな愚痴なんだよぉ。
月:でもまあ、結局、最後にものをいうのは、論文そのものの出来だから。
黄:ここ数年、真っ当な論文を書いてる姿を見てない気がするのは、
気のせいや、気の迷いとは言わせないんだよぉ。
【タイムカードが無いもので】
月:それは、大いなる誤解。
黄:どういう意味でなんだよぉ。
月:実は黄龍が帰った後、薄暗い教授室でこっそり大作を書いている訳で。
黄:尚、付け加えて言うならば、ここ数年、こっちが先に帰った記憶も、
ほぼ皆無と言って差し支えないんだよぉ。
【大不況時代に逆行】
月:嗚呼、もっと給料が欲しい。
黄:だったら、名を馳せて、厚遇で引き抜かれるのが、
一番、手っ取り早いんだよぉ。
月:ハッハッハ。そんな出来もしない発言をするとは、
貴君も血迷ったものよのぉ。
黄:いや、そこまではっきり言い切るなら、薄給でも、
雇用してくれることに感謝を覚えて然るべきかと思われるんだよぉ。
【高校デビュー的な話】
月:ところで、最もオーソドックスかと思われる、
この大学で給料アップを口にしなかったのは何故。
黄:そりゃもちろん、どんなに素晴らしい論文を書いたとしても、
人格補正で盗作を疑われるだけだから、なんだよぉ。
2009
【現代の追い剥ぎ!? ノンフィクション海賊物語!】
茜:ところで遊那ちゃんは、海賊って聞いて、何を連想する?
遊:んあ? そりゃ、ジョリーロジャーだろ。ドクロマークの海賊旗だな。
或いは倭寇か、キャプテンキッドか……概ね、そんなところか?
茜:うん、御約束通りの、模範的な回答をありがとね。
遊:微妙に、バカにされたような?
茜:じゃあ、今の時代の海賊って言ったら、どう答える?
遊:は?
あれか。ひょっとして、金しか目的じゃない資産投資家を皮肉って……
いや、あれはハゲタカで、海賊ではないな。
茜:二十一世紀になったこの御時世でも、不用意に航海してると、襲われるんだよ?
遊:それは何だ。ひょっとして、捕鯨船狙いの過激派反捕鯨団体の話か?
茜:まあ、あれも、ちょっとしたテロリストだけど、それとは別件。
有名どころは、東南アジアのマラッカ海峡と、アフリカ、ソマリア沖かな。
今の世の海賊は、マシンガンとか装備してて、タンカーとかを襲うんだよ。
遊:……。
茜:遊那ちゃんは、ちょっと社会適合性が欠けてるけど、
もしもの時の就職先に選んだりしないでね?
遊:するか!
茜:特にソマリア近海は、政府が事実上、機能してなくて、全てが野放しに近い状態なの。
そのせいもあって、世界最悪クラスの治安になってるんだよ。
遊:世界は、まだまだ、混沌としとるなぁ。
茜:まあ、民主党、平田健二参院幹事長は、
「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわかない。
ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたということがあったのか」
っていう、驚きの発言をしてたりするんだけどね。
遊:それは、全く知らなかった私に対するあてつけか?
茜:遊那ちゃんみたいな、そこらに居る女子高生と、国会議員を一緒くたにしなくて良いと思うよ?
遊:それもそうだ。国税を禄とし、法案に賛否を投ずる権利を持つ国会議員と、
まだ何者でも無い私が同格であるはずがない。うん、きっとそうだ。
茜:と言っても、種々の法案に関して不勉強な議員はそこかしこに居るんだけどね。
その話は主眼じゃないから、置いておこうかな。
遊:給料分の仕事はして欲しいものだな。
茜:何はともあれ、日本も通商航路としてあの近海は通らないといけないから、
襲われないようにしないといけないよね。
となると、日本で対抗出来るのは、海上自衛隊しかないかな。
遊:いや、それこそ一部団体が得意な、非武装、無抵抗、ホールドアップで良いんじゃないのか?
茜:あ、ピースボートって平和団体があるんだけど、
ここはソマリアへの自衛隊派遣には反対だったんだけど、
自衛隊に要求して、護衛してもらったことがあったりするんだよ。
遊:何だ、その笑えないブラックジョークは。
茜:ま、人間、誰よりも自分が大切ってことだよね。
遊:何だかなぁ……。
茜:とにもかくにも、『海賊』っていう言葉が、まだまだ死語じゃないってことだけは、
認識して貰えれば良いかな?
今項目の纏め:自衛隊が合憲か否かの議論はあるだろうが、現実的にものを考えた時、日本で商船を守れる力を持つものは海上自衛隊しかない。物資が届かなくなったり、商売が滞ること以上に理念が大事を言い切れる大人は、どれ程に居ることやら。