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 何でも、政府の方から徳之島に向けて、事実上の基地機能移転要請が来たそうです。まあ、三町長は会談を拒否したそうですが。そもそも遅すぎですよね。もう、四月下旬ですよ。やるとすれば、鳩山政権発足直後の去年九月中にはやらないと。思い付きで選挙演説をするもんじゃないなというお話ですか。何が凄いって、政府の方針が完全に決まった訳じゃないと総理が言っちゃった点ですが。

( ・ω・) どうやってこんな難しい問題、一月で決着する気なんだよ

「ケッ。今日のところはお互い様ってことでこれくらいにしておいてやる」
「なぁに言っちゃってるのかしら。元はと言えば、アンタが騒ぎ立てたことでしょ?
 いつか絶対、痛い目見させてあげるわよぉ」
 かくして、海賊団内、第三勢力ヘラルド一派と、第四勢力エンリコ一派の対立は決定的なものとなった。
 いやー、こうもうまく行っちゃうと、こっちとしても楽しくてしょうがないなぁ。

「何だか、団内が騒がしいようだが、何かあったのかい?」
 ホセの部屋に入るなり、そんな問いを浴びせかけられた。
「ああ、ヘラルドとエンリコが一触即発の状態になったらしくてね。とりあえずの衝突は避けられたが、今後はどうなるかねぇ」
「おいおい、穏やかじゃないな。と言うか君は、ドンに内部調和を求められたって聞いてるんだが良いのかい?」
「今日は、そこのところで少し、相談があって来たんだ」
 言って、僕は周囲や扉なんかを見回した上で、再びホセに向き直った。
「この部屋は、盗聴や何かに関して完璧だって本当かい?」
「ん? ああ、これでも一応、余り他の団員には見せたくない資料なんかも扱ってるからね。そこのところはかなり本格的なはずだよ」
「じゃあ、単刀直入に言おう。アンタには、ドンを失脚させるのを手伝って貰いたい」
「……今、何と?」
 間の抜けたと言うか、あっけに取られたと評するのが的確だろうか。ホセの顔は年端も行かない子供みたいに、純粋な驚きの表情を形作っていた。
「俺としては、ちまちま媚を売って、最終的な肩書が幹部だなんてアホらしくてね。一気に上を狙ってみようって思うのは、普通の心理だろ?」
 もちろん、素の僕は、そんなこと面倒くさいとしか思ってないんだけどね。

 

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