2009
用があって役所に行ったついでに、来年度のゴミ出しカレンダーも頂戴してきました。しかし、その日の内にポストへと同じものが放り込まれるアクシデンツが……!
( ・ω・) とりあえず、二箇所に貼って置けばいいのかなぁ?
「そっか、だから兄さんは……」
「ん? ねぇねぇ、一人で納得してるけど、どゆこと?」
えーと、シスに分かるくらいに噛み砕くと――。
「君は、義賊だよね?」
「そだよ」
「例えば、お金持ちの家に盗みに入ったとして」
「うんうん」
「道具袋から何かを盗んだら、バレない様に、同じくらいの重さのものを入れとくよね」
「おー、なるほど、そういうことなんだ」
「……」
自分で言っておいてなんだけど、今の無茶苦茶な喩えで分かるってどうなのさ。
「要約すると、アレル様は、自身が世界を平和にするまで、この町をそっとしておくということを選択したという訳ですわね」
「う、うん、そういうことだね」
何でアクアさんも、こんな説明で分かるんだろう。性差とか、そういう単純な話じゃないよね。
「それで、僕が思うに、兄さんの魔力に反応する様に出来てたんじゃないかな。いつか、ここに戻ってくることを想定してさ」
「でも、お兄さん居ないじゃない」
「魔力の波長っていうのは、兄弟とか親子だと似かよるものだから。たまたま、僕と兄さんのが合致したんだと思うよ」
「或いは、アレクさんが代わりにやってきてくれることを想定して、どちらでも可能なようにしたのかも知れませんわね」
「う~ん……」
幾ら兄さんでも、そこまでの先読みは無理だと思うなぁ。
2009
最近思うのは、スギ花粉が殆ど無いという一点だけで、北海道に住みたいなぁという甘い発想。でも俺、寒いのは嫌いなんだ。
( ・ω・) 沖縄に……花粉症ってあったかなぁ……
「旅の人達、何をそんなに揉めているのですかな。ハハハ。世の中、こんなにも平和で穏やかだというのに、殺伐とした心持ちになってはいけませんなぁ」
「え?」
違和感を覚えた。
「平和で穏やかって……」
この、今にもバラモスに支配されそうなこの世界が? 冗談にしても、悪質だと思う――。
「あ――」
そうか。この人達、十年も寝てたから世の中の事、何にも知らないんだ。父さんが世界を回っていた頃は、侵攻もそれ程じゃなかったと聞いている。だったら、こんなにのほほんとしてるのも、納得出来ると言えるかも知れない。
「人間、無知が一番幸せと言いますが、本当かも知れませんの」
それ、聖職者が言うと色々と重いなぁ。
「ん?」
ちょ、ちょっと待って。今、何かが引っ掛かったような。
「ひょっとしてこの人達って、父さんか兄さんがバラモス倒してたら、何事も無かった様に生活してたってこと?」
「たしかに、その通りやも知れませんわ」
うーん、だったら、不謹慎かも知れないけど、あと一年か二年、寝てて貰っても良かったかなぁ。いや、せめて僕がバラモスを何とか出来る様になるまで――。
「!」
一つの事実に気付いた。
2009
キリスト教関連のキャラクターで、『あべ まりあ』というのは定番の模様です。阿部だか、安倍だか、マリアだか、まりあだか辺りに色々余地はありますが。関係無いですが、世界最強の処女厨って、キリスト教ですよね。
( ・ω・) 幾らなんでも、処女懐妊は無理があるってレベルじゃないろうと
「あたしだったら、一番怖いのは、盗みに入った瞬間、足が動かなくなることだけど」
何かに追われてる時、全身の力が抜けるっていうのは定番らしいけど、シスが言うと重みが違うなぁ。
「とにかく、何が起こったのか、調べないと」
えーと。寝てる時はどうしようもなかったけど、起きてるなら話は簡単だよね。とりあえず手分けして聞き込みを――。
「その必要は……ありません」
不意に、女王様が口を開いた。
「これは私が掛けた力に、解呪が行われたのです。それは恐らく、『夢見るルビー』に篭められていたもの……何か鍵となる切っ掛けがあって発動したのでしょう」
「鍵……ですか?」
「ええ、魔法の力を物に篭め、それを発動させる為に一定の条件を必要とする。別段、珍しい仕掛けではありません」
「でも、誰が、何の為にそんなことを――」
前者については、一組、心当たりがある。それはもちろん、兄さん達だ。だけど、わざわざそんなことをする理由が、全く以って思い付かない。
「わたくし達を驚かしたかったというのは如何ですの?」
「却下、だね」
「じゃあじゃあ、ノアニールの人がいつ起きるか賭けてて、この時期に張ってたとか」
「不謹慎な賭博と不正、二重に人の兄を貶めるのはやめてくれない?」
随分と慣れてきた僕だけど、流石にちょっと、カチンと来たよ。
2009
ふと思ったのは、就労しないことを教義に掲げた新宗教を作れば入信者が増えるのではなかろうか。無職でも、『信仰上の理由で』と断れるじゃないですか。ああ、でも、ニートさんだから、お金持ってない訳で、お布施は増えないこの理不尽。
( ・ω・) 怠惰をモットーとした宗教がメジャーじゃないのは、こういう理由なんですね。
「先程の魔法の力が、皆さんを目覚めさせたと解釈するのが妥当ですわね」
「う、うん」
だ、大丈夫。ここまでは、誰でも簡単に予想できること。驚かない、驚かない。
「ここからはわたくしの推察、というより、妄想に近いのですが――」
もう、アクアさんが真面目な顔してる時は、警戒した方が良いって分かってる僕が居た。
「あれで、皆さんの頭にタライが落ちてきたと思われますの」
「……」
タライ?
「何で限定なの? 他のものじゃダメ?」
ほら。水を入れるだけなら木の器とかもあるし。
「絶対に、ダメですの」
な、何、この有無を言わせない迫力。世の中、触れてはいけない領域って物があるんだね。
「っていうか、それなら人数分、転がってないとダメだし」
「それもそうですわね」
僕も僕で、何でこんな、普通気味に答えちゃってるのかなぁ。
「あたしの意見は違うかな」
「シスは、どんな突拍子も無いこと言い出すの?」
これは、決定事項っていうことで。
「あれだね。ガバッと目を覚ますって言ったら、やっぱり全員で悪夢を見たんじゃないかと」
「これだけの人達が目を覚ます程の悪夢ってどんなんなのさ」
価値観っていうのは、人それぞれ違うものなんだよ。そりゃ、その価値観に共鳴させてその人独自の悪夢を生み出す可能性も無い訳じゃないけどさ。
2009
桜の季節が近付いてくると嬉しいのは、『花粉が終わる』ということ。ええ、暖かくなることより、そっちの方が重要です。花粉症は甘えと言われても、しんどいものはしんどいのです。
( ・ω・) 俺、花粉が終わったら、たくさん原稿書くんだ……
「やぁ、旅の人。ここは、ノアニールの町だよ」
息を乱しながら辿り着いた僕達を迎えてくれたのは、そんな何気ない一言だった。うららかな春の風が舞い降りるかの様に柔らかな陽射しの中、その町は極普通に時を刻んでいた。
「そんな……なんで……」
その光景を、信じられないとでも言いたげな面持ちで女王様は見遣っていた。その瞳が一体、何を見ているのか、傍目では推察しきれない。
「うわ、何々、これ、奇跡?」
「いや、私が考察したところに依ると、単に時間切れだね。どんな魔法にも時の流れという枷があるのは周知の事実であるけれど、女王様と言えど例外では無いということだよ。まあ、その間隔が半端無い辺り、流石は我らが女王様といったところだね」
エルフの取り巻きさん達の会話は聞き流すことにして。
「おぉ……おぉ……」
一方、お爺さんも息を詰まらせ涙を流していて、要領を得そうもない。ど、どうしよう。こういう時、頼りになる相談相手って言ったら――。
「ん?」
「ですの?」
「……」
女の子達二人を見て、はたと気付く。もしかして、冷静に現状を把握して、的確な判断を下せる人員が、僕の仲間には居ないのかな。