【所詮は猫科よ】
朱:囚人のジレンマって言うのは~、
個として最良の選択が全体として最良の選択とは限らず、
又、それに依って個としての利益をも損なわれることの喩えなんです~。
白:……くー。
黄:寝るんじゃないんだよぉ。
白:難しいことを考えるエネルギーがあるなら、その分は休養か攻撃に回す。
これ、私の人生哲学!
黄:一応、自称軍師の娘の発言だとは思えないけれど、
父親の血が濃いと言われれば納得出来るから、実に不思議なんだよぉ。
【一種の生体防御反応】
白:で、結局、どゆこと?
朱:例えば~、白虎さんと窮奇さんが森へ狩りに行ったとします~。
約束として~、二人が狩った分、全てを山分けにするんです~。
つまり~、狩れば狩る程、労力に対する取り分が減る訳です~。
ですから、一切、働かないというのが、
最も、効率の良い選択になる訳で~。
白:ぐがー。
黄:この行動はもしや、ひょっとして脳レベルで欠損があるのではなかろうかと、
考えさせられてしょうがない自分が居るんだよぉ。
【どちらが正犯扱いか】
白:ハッ!
黄:何が、ハッ、なんだよぉ。
白:いや~、子供の時分はそうでもなかったんだけどね。
お母さんに勉強仕込まれ始めた頃から、
どうにも難しいことは身体が受け付けなくなってさ。
黄:純粋に、遺伝子の問題かと思ったけれど、家庭環境も多分にあるとは、
人格形成とは、奥が深いものなんだよぉ。
【共同戦線は禁止ね】
白:それで、狩りに行って、働いたら負けって話だっけ?
朱:そこに~、二人が狩った量が二倍以上開いたら、
ヘルさんに全て没収されるという項目を付けるんです~。
狩り過ぎてもダメ、狩らな過ぎてもダメの状況で、
白虎さんはどうしますか~?
白:うーん。そんなややこしい現場はあきらめて、
黄龍に御飯をたかるってのはどう?
黄:と、この様に、現実には第三の選択肢があることが多い訳で、
案外、こんな発想をする輩が成功するのではなかろうか、なんだよぉ。
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